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広末涼子さん「私が親権者」に驚きの声も 不倫で離婚、親権者はどう決まる?

2023年07月24日 13:01  弁護士ドットコム

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俳優の広末涼子さんが7月23日、事務所の公式サイトで夫でアーティストのキャンドル・ジュンさんと離婚したことを発表し、「子供たちの親権につきましては、私が親権者として、これまで通り子供たちと一緒に生活することとしています」とも明らかにした。


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広末さんはキャンドル・ジュンさんと2010年に結婚し、2児をもうけていた。『週刊文春』が今年、有名シェフの男性との不倫を報じた後、双方が認め、謝罪。広末さんの所属事務所が無期限謹慎処分した他、双方とも仕事に大きな影響が出ていた。





そのため、ネットでは「不倫した側が親権を獲得できるのか?」と驚く声もあった。広末さん夫妻の場合、離婚の理由は定かではないが、一般的に不貞を理由に夫婦が離婚する場合、離婚や親権はどのように決まるのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。



●不貞行為をした側からの離婚請求は認められる?

——離婚原因を作った側からの離婚請求でも、認められるのでしょうか?



​不貞行為をした側、つまり有責配偶者からの離婚請求でも、協議によって双方が合意すれば、離婚は成立します。



一方で、どちらかが応じず、調停や裁判に至った場合には、簡単には認められていません。



判例上は(1)別居が相当長期間 (2)未成熟の子が存在しない(3)離婚により相手が極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない、などの場合に認められることになります。



●親権はどのように決まる?

——親権者を決めるにあたって、有責配偶者であるか否かは検討されるのでしょうか?



結論から言えば、不貞行為は夫婦の問題であり、親権者を決めるにあたっては、「有責配偶者だから親権者としては不適格」とはなりません。



決め方ですが、離婚と同様、親権者の決定も夫婦の協議で合意に達すれば、夫婦で決めることになります。もし合意に至らなければ、家庭裁判所の調停を申し立てることになります。



民法820条は「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う」と規定しています。父と母のどちらを親権者にした方が、子の利益・福祉にかなうかという視点で検討されます。



どちらが主に子育てをしてきたのか、仕事や生活の状況、子の年齢と性別、子どもの意思の尊重など、様々な要素を検討して決めることになります。調停でも合意に至らなければ、審判、裁判へと進みます。



もし仮に、不倫が原因で子育てを放棄していた、など子の福祉にかなわない事情があれば、親権者として不適格との判断になる可能性もあります。しかし、親権者を決めるにあたっては「不倫をした側だから、親権者としては不適格」と門前払いになることはなく、あくまで子の養育をするにあたって的確かどうかが検討されることになります。




【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp