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首位ロバンペラがリードを拡大。トヨタのラトバラ代表「勝利を持ち帰ることができると確信」/WRC第8戦

2023年07月23日 13:50  AUTOSPORT web

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勝田貴元(左)とヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRT代表(右) 2023年WRC第8戦ラリー・エストニア
 7月22日(土)、WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・エストニア』のデイ3が、タルトゥのサービスパークを中心に行われた。3台のトヨタGRヤリス・ラリー1で今大会に出場しているTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合首位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合4番手、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が総合7番手につけ、チームの全ドライバーが前日の順位を守っている。

 2023年シーズン第8戦の競技3日目は、タルトゥに設置されたサービスパークの南側エリアが主な舞台に。この日は降雨もなく全9ステージが晴天の下、ドライコンディションで実施された。

 前日に総合首位に浮上したロバンペラは、不利な出走順一番手から開放され、通常グラベル(未舗装路)ラリーでは有利とされる後方からのスタートとなり、さらなるペースアップが可能になった。大会2連覇中の“フライング・フィン”はそのアドバンテージを活かしてオープニングのSS9から快走を見せると、午前中の4ステージに加えて午後の4ステージ、さらにはSS1の再走ステージとして行われたSS17まで席巻。なんとデイ3の全9SSでステージウインを達成してみせた。

 この結果、デイ3開始時点では3秒だった2番手ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とのタイム差は34.9秒にまで拡がり、23日のラリー最終日を前に大会3連覇の実現をを大きく手繰り寄せている。

 デイ2で総合3番手のエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)と激しいバトルを展開したエバンスは、競技3日目も攻めの走りを敢行。ステージ3番手タイムを4回、2番手タイムを1回記録するなどして、その差を一時0.7秒にまで縮めた。しかし逆転には至らず。午後は若干離されるかたちで、前日と同じ総合4番手で一日を終えている。

 今シーズン3度目のワークスノミネートを受けて出場している勝田は、デイ3での出走順が2番手と早く、路面を覆う滑りやすいグラベルを掃き飛ばしながらの走行を余儀なくされた。また、メカニカルトラブルやインカムの不具合などが勝田/ジョンストン組を襲う。勝田はこれらの問題に対応しながら総合6番手のピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)まで7秒差に迫り、総合7番手で最終日を迎えることとなった。

■「エルフィンのアタックチャンスはまだある」

「今日はカッレ(・ロバンペラ)の信じられないような走りを見ることができた」と語るのは、TGR-WRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラ。

「彼のステージの走りからは、路面コンディションに対して非常にいいフィーリングを感じていたことがわかった。ブレーキングを遅らせて、道をフルに使うことができるようになったことで、自信がさらに高まり、それが今日のタイムにも表れている」

「彼はこのような道でドライビングを学んだので、彼にとってはまさにホームラリーのようなものだし、このようなステージやコンディションで走ることをとても楽しんでいるように見える。まだ戦いは終わっていないが、明日は勝利を持ち帰ることができると確信しているよ」

「一方、エルフィン(・エバンス)はエサペッカ(・ラッピ)と大接戦を続けている。ふたりともいい走りをしているね。今日の午後はエサペッカのほうがわずかに速かったが、明日の朝、路面のグリップが低い状況でエルフィンがアタックするチャンスはまだあると思っている」

 ラリー最終日となる23日(日)のデイ3は、サービスパークの南側のエリアで2本のステージを各2回走行するが、直近2日とは異なりミッドデイサービスは設定されていない。SS18~21のうち最終SS21はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスポイントが付与されるパワーステージとなっている。SS合計距離は61.08km、リエゾン(ロードセクション)を含めた一日の総走行距離は278.73kmだ。