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岩佐歩夢「2位とファステストに満足」抜けないハンガロリンクで一気に3台抜き/FIA F2第10戦レース1

2023年07月23日 12:30  AUTOSPORT web

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2023年FIA F2第10戦ブダペスト 岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)
 2023年FIA F2第10戦ブダペストのスプリントレース(決勝レース1)を5番手からスタートした岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)は、抜群の蹴り出しと位置取りを見せターン2で2番手に浮上。その後はタイヤマネジメント勝負となるも、トップのデニス・ハウガー(MPモータースポーツ/レッドブル育成)には届かず惜しくも2位となった。

 しかし、岩佐はファイナルラップでのファステストラップ記録によりファステストラップポイントの1点も獲得し、ランキング上位の2名とのポイント差を縮めることに成功。「2位とファステストを獲れた結果には満足していますし、チームにとってもポジティブな結果でした」と岩佐は振り返った。

「スタートは完ぺきというわけではなかったですが、周りがあまりよくなかったようで、空いているところを狙って行った結果、ポジションを上げることができました。2コーナーのアプローチで、2番手のマシンがトップの真後ろについていたので、アウト側から攻めて抜くことができました」

「それからは、(ダーティエアを受けないために)前との間にスペースを空けて、タイヤマネジメントに集中しました。しかし、トップもコントロールしてペースを落とし始めたので、うまくスペースを作ることができず、その分レース終盤にタイヤの差が出たのかと思います」

 岩佐がタイヤ温存からプッシュに切り替えたはレースも後半を迎えた17周目。その時点でトップのハウガーとは2.5秒のギャップが開いていた。岩佐は17周目に1分34秒846をマークし自己ベストを更新。一気にハウガーとのギャップを18周目に1.9秒、19周目に1.5秒まで縮める。

 ただ、その動きに呼応してか、19周目にはハウガーら上位勢もプッシュを開始し、ハウガーも自己ベストを更新したことから、これ以上ギャップが縮まらない均衡状態となる。

「(レース後半に)プッシュするタイミングは、エンジニアの指示に従うことにしていました。残り10周くらいでプッシュしていいと言われたのですが、トップもうまくマネジメントしていて、なかなか追いつくことはできませんでした。なので、終盤ファステスト狙いに切り替えて、タイヤを冷やしてファステストを獲りにいきました」と岩佐。

 ただ、この判断により岩佐はファステストラップ獲得に成功する。FIA F2のスプリントレースでは優勝ドライバーに10点、2位に8点が与えられ、またトップ10以内でファステストを記録したドライバーに1点が与えられる。

 このファイナルラップでのファステスト更新により、優勝のハウガーとの獲得ポイント差を1点に抑え、またランキングトップのフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)、ランキング2位のテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)とのポイント差を確実に縮めることにも成功した。

「優勝はできませんでしたが、マシンの状態はとてもよかったですし、タイヤマネジメントも昨年よりうまくいったので、フィーチャーレース(決勝レース2)に向けてもポジティブです。ここはコース上ではなかなか抜けないので、スタートとストラテジーが大事になると思っています」と、岩佐は語った。

 2位とファステストラップ獲得という成績で終え、計9点を獲得した岩佐は120ポイント獲得でドライバーズランキング3位は変わらず。ただ、ランキングトップのベスティとは前戦終了時の24点差から15点差に、ランキング2位のプルシェールとは前戦終了時の18点差から14点差に縮めることに成功している。

 続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は7月23日の現地時間10時5分(日本時間17時5分)から、タイヤ交換義務を有する周回数37周で争われ、岩佐は6番手からスタートを迎える。