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世帯年収900万円なのに8000万円のタワマン購入してドヤっていた男性 目の前に新たなタワマンが建設されて絶望

2023年07月22日 06:10  キャリコネニュース

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窓の外に広がるのは、東京湾の風景。湾岸のタワマンを購入した人にとって眺望はなにものにもまさる自慢だったりする。しかし、タワマンが建っているようなエリアは次々と新たなタワマンが建設される。今の眺望がいつまでも続くとは限らないのだ。(取材・文:昼間たかし)

血の滲むような努力でタワマン住人となった40代男性は、いま自慢の眺望が奪われた絶望の日々を過ごしている。夫婦共働きで世帯年収900万円の男性にとって、湾岸のタワマンは身を切るような思いで手に入れたものだ。

「生まれは四国の田舎です。ずっと都会に憧れて東京の大学を選び東京で就職したんです。
いつかはタワマンに住むことが夢だったので、実家からも援助して貰って35年ローンでようやく手に入れました」

「勝ち組を気取っていましたね」

こうして男性が購入したのは8000万円台のタワマンの中層階。確かに湾岸だが、通勤に用いるJRの駅からは遠い。おまけに、現在保育園に通う子供がいて間取りは2LDKなので、将来的に手狭になる可能性もある。

月々の返済額は18万円程度というから、身の丈にも合ってないし将来設計も不安だ。

「それでもタワマンに住みたかったんです。妻も同じく都会の憧れが強くて、双方の実家から援助が貰えることになり勢いで決めてしまいました。もちろん、もっと郊外の広い住宅のほうを勧められましたが押し切りましたよ」

中層階ゆえに「眺望が抜群」とは言い難い。それでも、窓からは海が見えることもあり、男性は満足だった。

「東京で、海が見えるところに住むことができる人がどれだけいるでしょうか。自分は幸運にも、その環境を手に入れることができわけです。購入当初は海を眺めて、道を歩いている人を眺めているだけで勝ち組を気取っていましたね」

「なんで、こんなタワマンを買ってしまったんだろう」

しかし、勝ち組気分を味わえた時間は僅かだった。引越から5年目、少し離れた土地で新たな建設工事が始まったのである。

「新たなタワマンが建設されることは前からわかっていました。今よりも眺望が悪くなるとはいえ、そんなに酷くなることはないだろうと思っていたのですが……」

ニョキニョキと伸びたマンションは、偶然にも男性宅の窓から海が見えるのを塞ぐような形になってしまったのである。

「二棟のタワマンの間から、変わらず海が見えるものだと思っていたんです。ところが、予想は大きく外れて片方の建物に塞がれる形になってしまいました」

いわば、新たなタワマンが壁として男性宅との間に立ち塞がったのである。

「そこでようやく冷静になりました。なんで、こんなタワマンを買ってしまったんだろうと。
JRの駅まで必死に歩いて通勤して、給料の大半もつぎ込んでいるというのに、壁に囲まれた牢獄にいる気分ですよ」

さらに将来設計も考えると大失敗は明らかだった。

「今後、子供にもお金をかけなくてはいけないのですが、自分の小遣いを月1万円にしても、とうてい間に合うとは思いません。18万円もローンの支払いをしているんですから、当然ですよね。貯金は、夫婦で90万円くらいかな」

大失敗をしてはじめてタワマンは分不相応な買い物だったと気づいた男性は、大都会の夢からも完全に覚めた。

「もうこりごりです。田舎に帰って畑を耕して暮らしたいですよ」

いま、男性は本気でUターンを考えているという。

キャリコネニュースでは「タワマンに住んでる人」をテーマにしたアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/S2S1N4MW