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韓ドラのお約束 第12回 誕生日はわかめスープ、刑務所を出たら豆腐 #韓国ドラマあるある

2023年07月19日 17:11  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
○「わかめスープ作ってもらうなら、ハン・ガンかチェ・ジョンヒョクか迷う~!」



韓ドラによく登場する食べものにわかめスープがあります。お店ではなく、家で。朝ごはんの時が多いですね。そして、それを見た誰かが「誕生日か」と気づきます。そう、わかめスープは誕生日の日に食べるものなのです。



わかめはビタミンやミネラル、ヨウ素など妊婦に必要な栄養が豊富な食べもの。韓国では出産前、そして出産後1~2週間、わかめスープを食べ続けて体調を整えるんだそうです。なので誕生日には、お母さんと子どもの健康を祈ってわかめスープを食べる習慣が生まれたんですね。


韓ドラでは家族の誰かの誕生日の朝、お母さんが作ってくれたわかめスープが食卓に並びます。それは家族の愛を感じる温かい場面。それゆえに『トッケビ』で母を事故で亡くしたキム・ゴウンが、叔母の家で虐げられながら自分の誕生日に自身でわかめスープを作る場面は孤独が際立つシーンとして描かれています。

『わかっていても』の4話では、ハン・ソヒの誕生日にソン・ガンがレトルトのわかめスープを作ってくれようとします。でもそれよりイチャつくことを優先して、料理は途中までなんですよね。お互い惹かれ合っているようで、彼氏にはなってくれないハン・ガンの気まぐれ。一方でハン・ソヒに片思いしているチェ・ジョンヒョクは、彼女の誕生日をしっかり覚えていて、手作りのわかめスープと彼女が好きなチョコケーキで誕生日を祝ってくれます。ハン・ガンの危険な魅力とチェ・ジョンヒョクの温かい愛情をわかめスープで明快に描いた場面です。



もうひとつ、韓国の食べ物に関する風習に、「刑務所から出所したら豆腐をかじる」というものがあります。そもそも韓ドラの主人公やその周囲の人は刑務所に入りがち! だからこそ目にする韓ドラのお約束が、出所後の豆腐です。あれは、豆腐が白いことから「真っ白な心で人生をやり直せるように」という思いが込められているようです。



多くは、迎えに来てくれた人から黒い袋に入った丸ごとの豆腐を手渡され、大胆にかじっています。『愛の不時着』では、ソン・イェジンの父親が出所してきた際に豆腐ケーキで祝っていますが、さすがは財閥というおしゃれさです。ケーキにしてまでもやっぱり食べるんだ、とちょっぴり笑えるシーン。



『梨泰院クラス』のパク・ソジュンは、出所してすぐに入ったお店でスンドゥブを頼みます。スンドゥブ=純豆腐チゲなので、自分で豆腐を頼んだということ。その後経営する「タンバム」の名物料理もスンドゥブですが、面白いのはパク・ソジュンの心は長家グループへの復讐心でいっぱいだということ。ちっとも真っ白な心になってない! そんなところも韓ドラらしい描写です。



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加治屋 真美 エンタメ系ライター。初めて観た韓国ドラマは’03年の「夏の香り」。東方神起との出会いをきっかけに本格的に韓国エンタメの沼にハマり、’14年にはTOPIK(韓国語能力試験)6級を取得。好きな韓国ドラマは「賢い医師生活」「大丈夫、愛だ」「二十五、二十一」などなど(選びきれません……)。Twitter@KajiyaMami この著者の記事一覧はこちら(加治屋 真美)