商品に不備がないのに、一度使った物を無理やり返品しようとするのは明らかに迷惑なクレーマーだ。東京都に住む50代後半の男性は今年5月、都内のコンビニで買い物をしていた際、衝撃的なクレーム現場に遭遇したという。編集部では男性に取材を申し込み、当時の状況を聞いた。
その日は朝から雨が降っていたが、「ちょうど雨が上がったタイミング」だった。
「50代くらいの女性が傘を開いたまま入店し、カウンターの20代女性に『この傘ここが汚れてるから返品して!』と早口でまくし立てたのです」
傘は先刻の雨で濡れており、その女性が主張する「汚れ」は、レジ待ちの先頭で近くにいた男性にも分からなかった。雨が止んで傘が不要になったとたん、返品しようとしたのだろうか。
「女性客は私を一瞥しましたが私も睨み返しました」
クレーマー客の勢いに押され、店員の女性は泣きそうになりながら応対していた。
「その店は運輸関連の公共施設最寄りであり、収入印紙など買い求める業者の方々もおり長い行列となってしまいました」
店内の客は皆、クレーマー客に対しイライラし、舌打ちやため息が聞こえたという。
その後、あまりの喧騒に見かねた店長が応対を交代。「傘のおもてが汚れている」と主張する女性客に、店長は「お客様、傘が濡れてます。ご使用になられたのですね。汚れもわかりません」と断ろうとしたが、こんな押し問答になった。
「買ったときから汚れていた」
「使用された傘の返金は致しかねます」
「知らないわよ、それでも返金しなさい」
「雨のなか使用された傘の返金は致しかねます」
「知らないわよ!とにかく返品してちょうだい」
使用後なのは明らかだったが、クレーマー客は聞く耳を持たず返金を要求した。レジ前で10分ほど待たされていた男性はかなりイライラしていたそうだ。
一方、最初に対応した若い女性店員は精神的なダメージを受けたままだったようで、泣きながら男性の商品を精算し、「申し訳ありません」と言ってきた。男性はこのときの心境を「店員の方が私の娘と同い年くらいなので他人事にも思えませんでした」と語る。そこでこんな言葉を店員にかけた。
「『あなたは悪くないですよ』と女性客に聞こえるように言ってやりました。女性客は私を一瞥しましたが私も睨み返しました」
女性店員は目を真っ赤にして泣いていたというが、男性の一言は救いだっただろう。しかし結局、「店長が返品に応じていました」とのことで、クレーマー客の主張が通ってしまった。
「その女性客は 『もうここでは買わない!』 と怒って店を出て行きましたが、またシレっと買いに来るのかな、それとも店長が出入り禁止にするのかなとドキドキしています」
と顛末を語ってくれた。来店していないかどうかは不明だが、店側としては二度と来てほしくはないだろう。
※キャリコネニュースでは「あなたが目撃した衝撃クレーマー」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/BNPYRIJ9