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SBK:未勝利のカワサキ「複雑なルールが明確になることを願っている」と声明。500rpm増の優遇措置は使用せず

2023年07月16日 19:00  AUTOSPORT web

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ジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)/2023SBK第7戦イタリア
 2023年スーパーバイク世界選手権(SBK)第7戦イタリアの開催中である7月15日、SBKに参戦しているカワサキがプレスリリースを発行。先日レギュレーションで調整された回転数の上限(レブリミット)引き上げの措置を行使しないこと、マシンのホモロゲーションの決定方法が明確になるように声明を発表した。

 SBKでは、2018年から各車の戦闘力を近くする目的でマシンの性能調整がされており、各メーカーのマシンごとにエンジン回転数の上限(レブリミット)の制限が設けられている。

 3戦ごとにその調整が行われることになっており、2023年では、第1戦から第3戦のオーストラリア、インドネシア、オランダの結果により、5月4日にドゥカティのレブリミットは250rpm引き下げられ、カワサキは5コンセッションポイントを使用して、レブリミットが250rpm引き上げられることになった。

 また、第4戦から第6戦のカタルーニャ、エミリア・ロマーニャ、イギリスの結果により、またも7月13日に同様のプレスリリースが発行され、ドゥカティのレブリミットは250rpm引き下げられ、カワサキは5コンセッションポイントを使用して、レブリミットが250rpm引き上げられることになった。

 これにより、開幕時点から比較して、ドゥカティは500rpmの引き下げで16,100回転から15,600回転にしなければならくなり、カワサキは500rpmの引き上げられて14,600回転から15,100回転が使用できることに。

 その他のメーカーは維持され、ヤマハは14,950回転、BMWは15,500回転、ホンダは15,600回転。第6戦終了時点で、全18レースが行われ、ドゥカティが16勝、ヤマハが2勝をマークしている状況だ。

 そんななか、第7戦イタリア中の15日、カワサキはプレスリリースを発行して声明を発表した。

 内容を要約すると、「FIM規則に従い、第3戦オランダ、第6戦イギリスの後にKRTは250rpm(合計500rpm)の引き上げを要求した。KRTは現在、この500rpmを使用しておらず、3回目のチェックポイント(第9戦後)に2.4.3.3.c.iに記載された項目の導入を待っている」という。

 2023年SBKにおけるFIM規則の2.4.3.3.c.iはコンセッションパーツについての項目で、カムシャフト、バルブスプリング、コレット、リテーナー、バケットを変更できるというものだ。さらにプレスリリースは以下のように続いている。

「カワサキは量産マシンを対象としたルールに基づき、シーズン初めから、許容される回転数が低いメーカーである。(例えばドゥカティより1,500rpm少ない)」

「KRTがコンセッションポイントを使って要求したアイテムは、FIMが『再設計されたエンジン』の解釈の違いにより、カワサキに2021年型ZX-10RRのホモロゲーションを認めなかったアイテムと同じである」

「KRTは、メーカーがシーズン中にバイクの性能を向上させるために設けられたこの複雑なルールに深く関与していない多くの人々の疑問や状況が、明確になることを願っている」

 各メーカーのエンジン仕様が異なるため、レブリミットを同一にすることはできないが、現在のレギュレーションでは各マシンの性能が近くなっておらず、差があるのだろう。