店先で怒鳴り散らすクレーマーは迷惑だが、購入時には何も言わずいきなり本社にクレームを入れられるのもキツイ。コンビニエンスストアでアルバイトとして働いている関東圏の50代女性が、そんなカスタマーハラスメントの被害について編集部の取材に応じてくれた。
2021年の8月、店に30代と思しき女性客が家族連れで訪れ、レジ横のフライドポテトを1つ購入。駐車場へ帰った後、なぜかすぐに戻ってきてもう1つ購入した。その際、
「このポテトは、何グラムなの?どうやって揚げているの?」
と質問してきたため、「グラムは測っていませんが、こちら(冷凍状態のポテト)を目分量で四等分をして販売しています」などと説明した。この時点でクレームらしきものは無かったが、なぜか女性客はその翌日、本部に「ポテトがまずい」といきなりクレームを入れて来たという。
返金すると言っても拒否「貴方たちでは話にならないから、上司をだせ」
ちなみに同店ではポテトを揚げた後すぐ陳列し、規定の6時間で廃棄するそうだ。
「店舗では全てノートに記載して管理し、見た目が悪い商品は、廃棄時間に関わらず廃棄をするよう徹底していました。その方が購入したのは5時間経過のものでした」
店側の対応に落ち度はなかった。電話を受けた本部社員はクレーム客に対し、販売方法や提供時間に不備はないと説明をしたが、相手は納得せず
「社員では話にならない、オーナーから電話が欲しい」
と要求。その日の夜にオーナーが電話で本部と同様の説明や謝罪をし、「味に納得頂けないのであれば返金の対応をさせて頂きたい」と話したが相手は応じなかった。「貴方たちでは話にならないから、上司をだせ」と再び要求があった。
すると今度はその日から、本部のさらに上の社員が毎日、長時間のクレームを受け続けることになる。最初のクレームは味のみだったが、なぜか
「ポテトが少ない、社員の対応、オーナーの対応が悪い、納得する対応をしろ」
と苦情が増えて行った。この報告が、毎日店舗のほうにも来たため「こちらが申し訳ない気持ちになってしまう程でした」と女性は振り返る。
そんな状態が2週間も続き、コンビニの関係者たちはすっかり疲弊。とうとう本部から、「話にならない相手なので、謝って、収束をしましょう」と提案され、相手夫婦とオーナー夫婦、本部社員が店舗で話をすることになった。
「私はお店を正している、他の人が言えない事を言ってあげている」
最後は直接会い不快にさせたことに関して謝罪をしたが、相手は
「私はお店を正している、他の人が言えない事を言ってあげている」
「私たちはクレーマーでは無い。お店の為を思って言ってるの」
「お客さんが悪くなくても謝るのが、接客業でしょう」
という主張をゴリ押しし、納得することなく帰っていったそうだ。翌日も本部社員の上司には「納得出来なかった」と連絡があったというからしつこい。しかしその後、店にその客が来ることはなく「ホッとしています」とのことだ。
女性は昨今のカスタマーハラスメントについて、「実際、心の病気になって辞めた方も沢山おります」とコメント。女性自身もかつてカスハラによって精神的にダメージを受け、通院したことがあるという。その上で、
「こちらに非があるならお客様に納得頂くまで謝罪するのは当然です。しかし理不尽なクレームの方が多くなっています。お客様の我儘を全て受け入れるのが、接客業なのでしょうか。沢山の、理不尽なクレームを紹介して頂きたい、世間に知らせて欲しいと言う気持ちです」
と思いを語ってくれた。
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