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春日はトイレで洗髪、濱家は夏は長袖を切り冬に縫い合わせる「芸人たちのやりすぎ節約」の参考箇所

2023年07月12日 11:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

(左から)サバンナ八木、オードリー春日、かまいたち濱家

《戸塚くんの春日ほんと面白い》

《オタ活!聖地巡礼でむつみ荘を見てきた》

 6月25日、King & Princeの高橋海人(24)とSixTONESの森本慎太郎(25)がW主演を務める『だが、情熱はある』(日本テレビ系)が最終回を迎えた。一方で、SNSでは戸塚純貴(30)が演じるオードリー春日俊彰(44)も反響を呼んでいる。18日から春日としずちゃんを主役としたスピンオフドラマがHuluで配信され、春日が長らく暮らしていた築40年を超える風呂なし木造アパート「むつみ荘」を舞台に別の物語が繰り広げられている。

貧乏時代の節約ネタを持つ芸人たち

 ドラマでは春日のドケチっぷりエピソードも。コインシャワーを利用する場合は、5分100円の使用料金を抑えるため、家でシャンプーし泡立てながら現地まで歩いたという逸話も再現。

 春日は今でもドケチぶり健在で、水道代節約のために、ロケが終わって、それが商業施設でもスーパーでも、そこのトイレの水道で髪の毛を洗って帰るという。

商業施設だと迷惑になりかねませんが(笑)。ただ、節約というつもりではないですが、ヨガやジムの施設などでシャワーに入ることで、水道代やガス代が節約できたということは私もありますけど(笑)

 と、節約アドバイザーの和田由貴さんは話す。

 '22年9月29日にテレビ朝日系『アメトーーク!』に倹約家芸人として春日が出演した際に、倹約する理由は「ただただ、お金を使わないで暮らすのがたまらなく興奮するから」だと述べていた。

「貧乏時代ならともかく、今はそこまで過度な節約をしなくてもいいでしょうし、節約自体が目的になっているのでしょうね」(和田さん、以下同)

 春日以外にも、昔の貧乏時代の節約ネタを持つ芸人は多い。かまいたちの濱家隆一(39)が貧乏だった幼少期の話。3月15日放送の『バナナサンド』(TBS系列)で経済的に苦しかったころを振り返り「夏は長袖の服を切って半袖にして着た。冬になると、切った袖を母親が縫い合わせ、長袖に戻していた」と話していた。

「子どもの衣類に手を加える、というところはわかりますよね。成長が早いことを考えると、お金をなるべくかけたくないもの。例えば、キャラクターものの子ども服は高いので、私はサイズアウトした服はキャラクターだけはさみで切りとって、無地のTシャツに縫いつけたりしていました」

節約は自分自身で値段の軸を作ることが大切

 和田さん自身も子ども服はまめにリユースしていたという。

「普段着るものに関してはあまりお金をかけず、格安な服でいいのですが、よそ行きの上着だけはブランドものを買うのもいいでしょう。着る機会が少ない分サイズアウトしたあとも状態がきれいなので、メルカリなどを利用して高値で売れると思いますよ」

 貧乏時代を経験したからか、今なお無駄遣いはしないという芸人は多い。サバンナ・八木真澄(48)は、今年3月に2級ファイナンシャル・プランナーの資格を取得した。自ら『倹約王』と名乗り、テレビ番組やYouTubeなどで倹約術を披露している。

 '22年4月28日に放送された『やすとものいたって真剣です』(ABCテレビ)の中では、家では業務用の角瓶4リットルウイスキーを買うと発言。しかも、それをワンランク上のウイスキー「白州」の小瓶に入れ替えて飲むと白州の味になると主張。業務用の角瓶を小瓶に入れた場合、だいたい400円ぐらい。白州をバーで飲んだらその小瓶の量だと6000円ぐらいするから、毎日かなり儲けている、と話していた。

「瓶に入れ替えるだけで味が変わるわけはないでしょうけど、業務用スーパーなどを利用し、節約のためにまとめ買いをするという人は多いでしょう。私も業務用の特大焼酎を買ったりもします(笑)。ただ、気をつけたいのは嗜好品。お菓子など、まとめ買いは『たくさんあるから、もうひとついいかな』と食べすぎや飲みすぎにつながりやすいので要注意です。八木さんは飲む量を決めているそうで、そうした自分なりのルール設定が大事です」

 八木は自身のYouTubeの中で「節約は自分自身で値段の軸を作ることが大切」と持論を述べているが、この意見には和田さんも納得だという。

スーパーなどで、値引きされているから、という理由でつい買い物をしてしまうことがあると思います。でもそれは、値引きされていなかったら買わなかったもの。本来不要なものかもしれません。ポイントなども同じです。“必要だから買う”という理由以外の買い物は全部無駄遣いだとシビアに考えることが節約においては大切です

 こういった無駄を徹底的になくす努力をしている芸人が、たんぽぽの白鳥久美子(41)。WEBメディア『みんなのマネ活』のインタビューの中で、レジ袋は何回も使い回してから、クシャクシャに丸めて食器洗いのスポンジに使ったり、使い終わった麦茶パックでシンクを磨いたり、なるべくまめに再利用してから捨てる習慣をつけていると明かす。その他、家庭菜園をやっていて4株130円で買ったレタスを植えて増やしていることや、豆苗は5回は再生栽培するといったエピソードなどを語っていた。芸人になってすぐは事務所の給料では食べていけず、アルバイトをしながらさまざまな節約を試みたそう。

レジ袋の使い回しなどは、エコにもつながります。再生栽培も節約術としておすすめですね。元手がほとんどいらないですし、苗からよりも育てやすく、にんじんのヘタや大根のヘタから葉を生やすだけならキッチンでもできます。ただ、普通の家庭菜園というのはあまり節約にはならないかもしれません。苗を買ったり肥料を買ったり防虫したり、手間もお金もかかってしまいますから

白米を炊くことは、節約に効果的

 食べ物での節約といえば、マシンガンズ・滝沢秀一(46)も、'20年7月27日放送の『人生が変わる1分間の深イイ話』で質素な食生活ぶりを披露。

 夕食のおかずは育ち盛りの子どもを優先。滝沢は通常捨てられそうな野菜の皮を再利用したきんぴらを主菜にするという。また、自身のTwitterでは仕事中のお弁当として白米とふりかけだけの弁当をアップしている。

実は白米を炊くことは、節約に効果的。外食費を減らすためにはどうしたらいいか質問されたときはまず米を炊きましょうとアドバイスします。というのも、外食を頻繁にする人って作るのが面倒だから外で済ませたいという心理が働いているんです。でも、家でお米が炊けてれば、とりあえずそのお米は無駄にしたくないから、家に帰りますよね。おかずだけ買って帰るにしても、外食するよりは安く済みます

 さらに弁当に関しても、お米だけ容器に詰めて持っていけばいいとアドバイス。

「毎日きちんとおかずを彩りよく詰めるお弁当を作るのは大変。そんなときは無理せず、米だけ持っていけばいい。おかずやスープだけをコンビニで買ってもいいですし、レトルトカレーをかけるだけでも十分美味しい。外食をするより安くあがるはずです」

 一見、奇想天外な芸人の倹約術も、中には参考になるものも多いと和田さん。

「名前のあがった芸人さんはみなさん節約生活を楽しく送っているのが素晴らしいと思います。春日さんは節約自体が目的になっていますが、節約は本来、有意義で大切なことにお金を使うために備える手段。人生でどこにお金を使うべきかビジョンをしっかり持って、賢く楽しく節約してもらえたらと思います」

わだ・ゆうき 節約アドバイザー。幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。環境カウンセラーや省エネルギー普及指導員でもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R 推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精通する

取材・文/諸橋久美子