「事件現場のアパートは被害女性宅ではありません」
――では、容疑者の自宅?
「それも違います。これ以上は被害者保護の観点からご容赦ください」
捜査関係者はそう語って口を閉ざしたーー。
手足を縛って数時間にわたって…極めて非道な犯行内容
滋賀県警草津署は6月29日、同県大津市の会社員・中西大樹容疑者(31)を強制性交等致傷などの疑いで逮捕した。6月22日、容疑者は同県栗東市のアパートに30代女性をわいせつ目的で強引に連れ込み、手足をテープのようなもので縛った上で、数時間にわたって性的暴行を加えた。被害女性には鼻部、顎部、頸部に擦過傷などのケガも負わせたというもの。
「幸いにも女性は軽傷で、その場から自力で逃げ出して、警察に被害届を提出。警察が捜査を進めて、容疑者の逮捕にこぎつけた。テープなども事前に準備していたとみられ、計画的、かつ極めて非道な犯行だといえます」(全国紙社会部記者)
中西容疑者は警察の取り調べに対して、
「間違いはありません」
と率直に容疑を認めているというが、冒頭のやりとりにあるように疑問が残る。
「事件現場のアパートが容疑者宅でも被害者宅でもないなら、一体何なのか。中西容疑者と被害者はどうやら面識があったようですが、警察は詳細な情報を発表していないんです」(同・社会部記者)
だが、本誌は地道な現地取材を重ねることで、ひとつの事実にたどり着いた。
不動産紹介業者としての根幹を揺るがすおぞましい事件
中西容疑者は、住宅機器メーカーの最大手『L』傘下の有名不動産会社の社員だったのだ。不動産売買、賃貸、建築、リフォームなどを一手に担っており、容疑者は賃貸営業担当だったという。
これらを踏まえると、事件現場のアパートは不動産会社が管理する“空き物件”だった可能性が高い。
中西容疑者は被害女性に、栗東市のアパートを紹介していたのではないか。内見をともにしていくなかで、被害女性を空き物件に誘い込んで悪辣な犯罪に手を染めたのではないか……。そう考えれば、すべて合点がいく。
真相を知るべく、容疑者が勤務していた不動産会社に問い合わせるも、
「弊社の社員ということは、間違いありません。ですが、現在はまだ捜査中でもありますので、取材をお受けすることはできません」(同社社員)
記者が食い下がって、容疑者の勤務態度など、業務に関する部分を聞いても、
「それは個人情報なので、応じるわけにはいきません」
と断固拒否し続けた。
捜査中とはいえ、自社の社員が客に卑劣な行為をして逮捕されているならば、被害女性への謝罪の言葉があって然るべきだろう。不動産紹介業者としての根幹を揺るがすおぞましい事件に対して、ひたすら無言を貫く姿勢には呆れるばかりだ。
同社HPの「スタッフ紹介」の欄には容疑者のものもあり(現在は削除済)、
《大津市・高島市の賃貸はお任せください! 大津育ちなので、地理や地域のことはとても詳しいです。お部屋のことだけではなく、地域のお店や学校のことも色々ご相談ください!》
という自己PR文とともに中西容疑者のプロフィール写真も掲載。満面の笑みを浮かべた“悪魔”の毒牙にかけられた女性客は一体何人いたのだろうか。
警察は中西容疑者の余罪についても捜査を続けている。