ミシュランガイドにも掲載されているという有名和食店を即行で辞めた経験談が寄せられた。20代男性(東京都/ITエンジニア/年収300万円)はそのレストランに新卒で入社したが、
「新卒採用された人は3年連続で1年持たず退社」
という惨状があったという。その店のブラック企業ぶりは想像以上に凄まじいものだった。(文:林加奈)
「休憩時間は賄いを食べる15分間のみ。トイレ休憩は許される。月休み2日のみ」
その和食店では朝8時半に出社し仕事を始めるのだが、開店業務の中に
「上司の作業衣をきれいに並べて準備しておき、出社してくるたびに飲み物を差し出す」
という仕事があった。なぜ上司へのおもてなしのようなことを新入社員がするのか理解に苦しむが、とにかく上下関係の厳しさはうかがえる。
そんな朝から始まった仕事内容は「納品物の搬入」のほか、「1日の仕事のうち80%の時間は洗い物」だった。
営業が始まるとひたすら洗い物を行う。営業終了した後は片付けと翌日の準備で25時までかかることもある。休憩時間は賄いを食べる15分間のみ。トイレ休憩は許される。月休み2日のみ」
というから休憩や休日はほぼ無しに等しい。トイレ休憩など当たり前のことも“許される”と書いているあたり、闇が深い。そしてほぼ洗い物で手荒れがひどかったにもかかわらず、「ゴム手袋を着用することも許されなかったため、手のひら全体にひび割れがあるような状態で洗いものを行っていた」という過酷さだった。
3カ月半の勤務の中で、
「寝坊できない不安から布団に入るのが怖くなり、自宅の床や椅子で寝ていた。入社して初めて休みをもらえた日には、普段寝れていないからか起きると16時だった」
と相当な緊張感にさらされ疲弊していたことがわかる。
「旧友と久々に再会するとかなりやつれたと心配された」
すでに退職しているその職場について「もっと早くやめればよかった」とも男性は語っている。
「人間関係は常にギスギスしており、パワハラは日常茶飯事。蹴られたこともある。女性従業員も従事しており、毎日嫌味を言われる。日に日にストレスと過労で心身共におかしくなっている実感があった」
と悲惨な状況を明かし、「旧友と久々に再会するとかなりやつれたと心配された」と当時を振り返った。新人が働き続けられないのも当たり前の労働環境だったのだ。
※キャリコネニュースでは引き続きアンケート「仕事を即行でやめた人」を実施しています。回答ページはこちら https://questant.jp/q/HF78WM9H