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『どうする家康』が不発だから過去の名作大河に思いを馳せてみよう

2023年07月09日 17:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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1963年から連綿と続いてきたNHKの大河ドラマ。近年は時代劇自体が少ないので、大変貴重な放送枠だ。キャストに関しても当代随一の実力派を多数起用しているのでどの作品も豪華だ。

これまで放映されてきた大河ドラマには、それぞれのタイトルに多数のファンが存在する。今回は、シンプルにこれまで放映されてきた大河ドラマの、名シーンについてちょっと振り返っていきたい。というのも、折よくガールズちゃんねるに「大河ドラマの名シーン」というトピックも立っていたので、これを紹介したいと思ったのだ。(文:松本ミゾレ)

訳ありで再放送できなくなった作品もあるものの、感動は決して色褪せない

大河ドラマというのは1つの作品が1年間に渡って放映されるため、キャストもそれだけ多くなる。場合によっては出演俳優が不祥事を起こし、再放送やネット配信ができなくなることもある。

三谷幸喜が脚本を担当した作品はなぜかこの不運に見舞われることが多く、現在まで3作存在する三谷大河全てが現在ネット配信停止となっており、再放送もできない事態になっている。役者の不祥事なので仕方がない部分もあるが、三谷大河は評価も高いので残念に思っているファンも多いだろう。

お蔵入りになった作品はほかにもあり、このトピックを立てた人物は「猿之助さんの事件で再放送停止になってしまった内野聖陽主演の『風林火山』を観て、他と比べると地味だけどキャストの演技力がかなり高くセリフも良いなと改めて思いました」と書き込んでいる。

『風林火山』といえば史実と全くのフィクション部分が絶妙に融和しているストーリー運びが珠玉の完成度で、今も多くのファンを抱えている作品。書き込みにあるようにキャストも良いので、歴史ファンにも愛されている大河の筆頭だ。ちょっと地味だけど、そこもかっこいい。

トピックには他にも色々な作品を推すファンの声が。ちょっと紹介させていただきたい。

「『鎌倉殿の13人』ラスト、すすり泣きをバックに暗転で終わるシーン」
「『独眼竜政宗』の(不動明王を見据えながら)『梵天丸もかくありたい』」
「『新撰組!』の堺さん演じる山南さんの切腹シーン。翌日目が内出血するくらい泣きました」
「真田広之の『太平記』で、片岡鶴太郎演じる北条高時が自害するシーン」
「『麒麟がくる』向井理さんの将軍・足利義輝。凛としていて、真っ直ぐで素敵でした信念あり、立場や身分は違えど十兵衛(明智光秀・長谷川博己さん)とは気持ちが通じ合っていて最期は壮絶とは解っていながらも、やはり辛かった」

と、こんな具合。近年は古い作品も映像作品として割と気軽に視聴できるが、やはりここ数年の放送作品を挙げる声が多い。

『独眼竜政宗』なる名シーンの貯蔵庫は一体何なんだ!!

個人的に一番好きな大河ドラマは1987年放映の『独眼竜政宗』である。渡辺謙主演の、やたらキャストが豪華な作品だ。

特に前半のレギュラー、鬼庭左月を演じるいかりや長介。普段から本当に大声であれこれ怒っている怖い武将役がしっかりハマっていてお気に入りだった。政宗の父、輝宗の代からの譜代家臣にして、「人取橋の戦い」では敗戦必至となった政宗を逃し、自ら少数の手勢を率いて敵陣に特攻する。

このシーンではスタジオ収録でありながら雪のセットが組まれており、明らかにお金がかかっている。なおかつ左月の最後の活躍ということもあって、観ているこちらも感情移入してしまったものだ。

それと、やっぱりこのドラマのすごいところは、勝新太郎を起用したという点。豊臣秀吉役で、初登場回は小田原に参陣が遅れた政宗が、白い袴で颯爽と登場するものの、秀吉の強烈な恫喝で萎縮してしまうという、伊達者ですら赤子のような扱いをする天下人の異様さも十分に描かれていた。

その脇に控える徳川家康(演:津川雅彦)もまた凛としていて、なんとも恐ろしい布陣。
今観ても映画クラスの超豪華なキャストである。秀吉のイメージとしては、勝新はちょっと違うんじゃないの? と思う人もきっと多いんだろうけど、未見という方はぜひ観ていただきたい。

僕としても秀吉はサルっぽい竹中直人とか小日向文世のイメージが強いんだけど、あのボスゴリラみたいな秀吉像も、決して間違いではないと分かってもらえるはず。

何より政宗小田原遅参シーン時点では、スタジオの中の誰よりもおそらく一番殺陣が上手いのが勝新であったはずで、そういう意味でも最強の秀吉と呼んで差し支えなさそうなところの説得力も強いのだ。