秋田県の40代前半の男性(専門職/コンサルタント・士業・金融・不動産/個人事業主/年収550万円)は30代の頃、単身赴任先でパワハラにあったことがある。
「当時30代後半にして、初めて建設業界へ派遣社員として勤務しました。その派遣先の社員A(40代後半男性)にある時期から目をつけられ、ことあるごとに電話や直接無駄に長い小言を言われるようになりました」
Aが1分で終わるような小言を20~30分以上かけて長々と話してくるため、「話の内容はあまりよく覚えていませんが、(中略)イライラしてました」と男性は振り返る。(文:福岡ちはや)
「『この給料泥棒!』と頭ごなしに言われ、堪忍袋の尾が切れました」
Aのパワハラは日々の小言だけに留まらなかった。ある日、男性は仕事先の現場にいるときにAから「この給料泥棒!」と頭ごなしに言われ、さすがに「堪忍袋の尾が切れました」という。しかし男性は感情に流されて直接Aに言い返すようなことはせず、
「派遣元の担当者に、その旨(Aの発言)を一言一句伝え、派遣会社から派遣先へ苦情を出してもらいました」
と大人の対応に努めた。これで派遣先が対処してくれたらよかったのだが、驚くことに派遣先は理解を示すどころか、さらに男性を追い詰めるような人事を出してきたという。
「派遣先の新たな営業所がオープンし、あろうことかその社員Aと同じ部署になってしまいました。これはきっと僕を追い出すつもりの措置だと思いましたね。案の定、その社員Aの横暴は変わらずでした。こちらが事務所で自分の仕事をしているすぐ脇で、わけのわからない小言をグチグチ言うものだったんで、机をバン!と叩いて『少し黙っててくれませんか?』と返し、黙らせました」
派遣期間はあと2か月ほど残っていたが、男性はあまりのストレスに「次は更新しない」と派遣会社に連絡。それに対する派遣先の対応も信じられないもので、男性は「派遣先から2か月残しで(契約)終了の通知を受けました」と明かした。
「後日談として、社員Aはほかの支店へ異動したようです。もう二度と会うことはありませんが、異動先ではおとなしくなっていてほしいものです」
諸悪の根源はAのパワハラ行為ではあるが、それ以上に派遣先の会社の誠意のなさには呆れてしまう。腹立たしくはあるが、契約期間を残して早々に縁を切れたのは、むしろよかったのではないだろうか。