世の中には、仕事中なのに業務に関係のない理解しがたい発言をしてくる人もいる。東京都の40代後半の男性(教育・保育・公務員・農林水産・その他)は若い頃、社会に出る前後に嫌な思いをしたという。
新卒で就職活動をしていた時のことだ。ある合同企業セミナーで医薬品関係の企業に「是非うちを受けてください」と言われ、採用試験を受けに行った。
「不愉快な気分で会社を後にしましたが、人事部の人が追いかけてきて…」
当時は就職氷河期。男性にとっても悪い話ではなかった。採用試験は順調に進み、ついに最終面接。そこで社長の口から耳を疑うような発言が出た。
「学部卒で研究開発を希望って何考えているの? 世間的にも開発系は院卒でしょ?」
「きみにはいま恋人いるのかな? いないの? そんな人は人との付き合いもできないだろう。何考えてうちに受けにきているの?」
「(私の大学名をみて)この大学の人は採用しても北海道勤務だけど、北海道にいくんだよね?」
特に恋人云々のくだりは仕事とは全く関係ない。失礼にもほどがある。
「不愉快な気分で会社を後にしましたが、人事部の人が追いかけてきて、ひたすら謝罪してました」
幸いなことに人事部は社長の発言が不適切であるという認識はあったようだが、社長がこれでは働くのも嫌になるだろう。
ひどいことを言われた男性だったが、結果はなぜか採用だった。しかし、「こんな会社に行ったところで、良いことはないだろうなと判断し辞退しました」とのことだ。
ただ、話はこれで終わらなかった。
「謝罪してきた人事からの『我が社に来てお願い』の電話がほぼ毎日かかってくるようになり、挙げ句の果てには実家へ『入社するように説得してほしい』と私の家族に泣きつき、実家に頭を下げに来ました」
20年ほど前とのことなので、採用現場も今よりめちゃくちゃだったのだろう。それでも実家まで来るのは非常識だ。男性は、
「あれほど理不尽な言葉を発する社長の下では働きたくもなく、家族にも『そんな会社に行ってもいいことはないよ』とアドバイスされ、別の会社を選びました」
と断固拒否。うんざりしそうな経験だったが、「世の中のことを十分にわかっているわけでない大学新卒には、色々な勉強になりました」とコメントしている。その後、就職を果たした男性は、そこでもまたひどい目に遭ったという。【後編に続く】
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