トップへ

竜巻が住宅地を直撃 屋根や壁がむしり取られる瞬間をカメラが間近で捉える(米)<動画あり>

2023年07月02日 17:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

竜巻の被害に遭った住宅。町のなかでは、電線が切れて地面に落ちたところも多く、翌朝まで夜間外出禁止令が出された。一部の地域では復旧に時間がかかり、2日間近く停電が続いたという(画像は『WISH-TV 2023年6月26日付「GALLERY: Hoosiers share photos of Sunday’s storms」(WISH Photo/Hanna Mordoh)』のスクリーンショット)
アメリカ国立気象局(National Weather Service)は、現地時間6月25日に米インディアナ州で4件の竜巻が発生したと発表した。記録によると、この竜巻は午後4時30分前後のわずか30分間で、州南部の4つの地域で同時に発生し、各地に大きな爪痕を残したという。竜巻を間近で撮影した動画は地元ニュースサイトなどで公開され、自然の威力をまざまざと見せつけられた人々は慄然とした。米テレビ局『WRTV』『CHEK-DT』などが伝えている。

【この記事の動画を見る】

最初の竜巻は午後4時13分頃、インディアナ州インディアナポリス郊外のジョンソン郡で発生した。インディアナポリス国際空港の南東約30キロの地点で発生した竜巻は、推定最大風速が時速115マイル(およそ時速185キロ)で、その後は勢力を強めながら東に約8.6マイル(約14キロ)ほど移動し続け、約10分後に消滅した。

動画には、薄曇りの空に向かって屋根や木、土も粉々にして巻上げる茶色い渦がはっきりと見て取れる。竜巻から1キロも離れていないであろう近距離から撮影されたようだ。「トルネード警報」を知らせる甲高いサイレンと竜巻の轟音が空に響き渡るなか、近所の集合住宅が直撃を受け、屋根や壁がむしり取られてしまった。

ビデオ提供者のエリック・フォードさん(Eric Ford)も動画内で、竜巻の威力を目の当たりにして「こんなの見たことないよ」と力なくつぶやいている。

ジョンソン郡のイーグルズ・ランディング地区(Eagles Landing)に住むレナード・ディズニーさん(Leonard Disney)と妻スーさん(Sue)の家は、竜巻発生直後に被害に遭った。アメリカ海兵隊に25年勤務したベトナム帰還兵で、在任中に足を痛めたレナードさんは歩行が困難なため、家の中で一番安全な場所へ移動するのも一苦労だったという。「リクライニングチェアに座っていたら停電になりました。私は歩くことができないので、他の人に避難できる場所まで抱えて運んでもらわなければなりませんでした」とレナードさんは話している。

また、ジョン・キースさん(John Keith)の家も竜巻が直撃した。

「10秒か15秒ほど恐怖を感じました」とジョンさんは語っており、嵐が襲った時、彼は正面の部屋の窓の近くに座っていたそうで、「停電になったので主寝室のクローゼットに逃げ込んだのですが、着いたとたんに家がバラバラになってしまいました」と被害当時を振り返る。

ジョンさんの家の外壁はほとんどなくなってしまった。数か月前に取り付けたばかりの新しい窓も窓枠が曲がり、ガラスも割れ、家は辛うじて1枚の内壁で支えられているが、いつ崩れてもおかしくないという。


このほかに3つの竜巻がジョンソン郡より地域で同時期に発生し、デュボイス郡の竜巻では死傷者が2名出ている。

今回のニュースを見た人々からは、こんなコメントが寄せられている。

「なんてデンジャラスなんだ!」
「これで死傷者が出なかったなんて、ものすごい奇跡だよ!!!」
「僕のかかりつけ医のクリニックがある場所だ。実は明日、診察の予約が入っているんだけど、どうなるのかな」

なお、この竜巻では霰(あられ)からゴルフボールほどサイズの雹(ひょう)が降った地域もあるそうだが、数週間前のテキサス州では、マスクメロンの大きさの雹が降り、路上に停めた車などに大きな被害が出たそうだ。



画像は『WISH-TV 2023年6月26日付「GALLERY: Hoosiers share photos of Sunday’s storms」(WISH Photo/Hanna Mordoh)「Neighborhood trying to recover after tornado storms through Johnson County」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)