血液型占いや性格診断は世の中にあふれているが、血液型で人間性がわかるというのは根拠のない迷信だ。偏見や差別に繋がるおそれがあるので、採用面接の場で血液型を聞くのは不適切だとされている。
群馬県に住む29歳の男性は、10年ほど前の転職活動中に面接で「血液型は?」と聞かれBと答えたところ、面接官の態度が急変。「面接は以上です」と露骨に嫌な態度で告げられてしまったという。理不尽極まりない。
キャリコネニュース編集部はこの男性に取材。当時の状況とその後について、詳しく話を聞いた。
「露骨に態度を変える人がいる会社には行きたくありません。不採用ありがとうございます」
応募した職種は、出張買い取りでブランド品を多く扱っている会社だった。いわゆる古物商だ。面接官は30~40代くらいの男性だったという。
「最初の印象は“仕事ができ優しく包容力のある人”でした。緊張をほぐすためかは不明ですが、面接前に簡単な会社説明や業務説明、採用後の話を少々」
と面接の終盤までは悪くない雰囲気だった。ところが、よくある質問が一通り終わった後、面接官はとつぜん 「血液型は?」と聞いてきた。男性は想定外の質問に戸惑いつつもBと答えたという。すると、
「手のひら返しで露骨に嫌な態度と表情をし、ため息をついて『面接は以上です』と言われました」
それ以上失礼な言動はなかったものの、B型というだけですべてを否定するようなあからさまな態度をされたのだ。男性は納得いかない思いで帰路についた。
結局後日、電話で不採用の連絡を受けたという。血液型で落とされたのかは不明だ。電話口は面接をした社員とは違う人物だったが、男性はこんなことを言った。
「面接でデリカシーの無い質問を平気でし、露骨に態度を変える人がいる会社には行きたくありません。この度は不採用ありがとうございます」
やけくそのような捨てゼリフだが、率直な気持ちだった。そのとき電話口の社員の反応はどのようなものだったのだろう。
「想定外の返答に電話相手は『え?』と固まってしまったようですがそのまま電話を切りました。声質的に明らかに違う人で少し申し訳ない気持ちもありましたが、『これくらい言えば上に話行くだろう』と気持ち切り替えました」
言いたいことをきっぱりと告げた男性。この件は、求人を出しているハローワークにも報告をしたという。
「ハローワークが発行する会社概要が書かれた用紙を受付に出し説明しました。『確認して対応します』との対応でした。それ以上の対応は時間取られるのが嫌なので後はお任せしました」
やるべきことをやって早々にこの件を切り上げた。現在は「取扱商品は違いますが別の古物商で働いています」とのことだ。後日談をこんな風に語っている。
「もし血液型を聞かれずに採用になっていたとしても、長居はしなかったと思います。面接受けた約5年後に逮捕者が出て行政から業務停止命令。当時の営業所は今見ると完全閉鎖しているようです」
当時の報道によると、その営業所では出張先のお宅で強引な買い取りをしていたようで、消費生活センターに相談が相次ぎ業務停止となった。採用されたとしても入社しないという判断は、完全に正しかったのだ。
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