いくら会社が立派に見えても、現場で働く従業員はブラック労働で疲弊しているかもしれない。今から5~6年前、某企業のフランチャイズ店の正社員だった30代前半の男性(素材・化学・食品・医薬品技術職)が、当時経験した地獄のような労働環境を打ち明けた。
面接を受けた時点では「残業代も支払います」という話だったが、
「定時後すぐにタイムカードを押してからが残業となった」
と典型的なブラック企業ぶりだった。もちろん「タイムカード上では残業をしていない事になっているので残業代は基本支払い無しでした」と綴っている。
「お願いだから首つって死んでくれ」と暴言が飛び交う部署も
休みに関しても入社前の話とは違って取りづらかった。「面接のときに、私用で休みが欲しい日があるのですがと相談をして『対応します』と了解を得ていました」と回想する。ところが
「いざ休みの申請をしようと話しをするとあからさまに嫌な顔をされ、『休んでる場合なの?』、『俺は仕事してるのに』と嫌味を言われました」
これではもう、休みますとは言い出せないだろう。また別のサービス部門の部署では、こんな悲惨な光景があったという。
「店長から当たり前のように『死ね』、『お願いだから首つって死んでくれ』、『ふざけてんのか』と仕事の会話とは思えない言葉が飛び交っていました」
パワハラと呼ぶにも足りないような暴言の数々で、自分が言われていなくても精神が疲弊するだろう。もちろん、その部署も「残業はタイムカードを押した後から始まる」ため、残業をしていない事になっていたと明かす。
「辞めようと思って仕事するってどんな気分なの?」と嫌味
男性は2年半ほど勤めたものの、ついに深刻なメンタル不調に陥ってしまった。
「会社に来ると上手く会話や呼吸が出来なくなり、鳴ってもいない電話や誰かに名前を呼ばれているような幻聴が聴こえるようになりました」
限界を感じたため退職を申し出たという。何とか退職が決まり、最後の出勤日となったときのこと。もちろん最後の出勤日も残業で、誰からもねぎらいの言葉は無かったばかりか「大嫌いだった上司」からは
「いつから辞めようと思ってたの?」
「辞めようと思って仕事するってどんな気分なの?」
とあまりに酷な嫌味をぶつけられた。「最後の言葉がまさかこんな事を言われるとは思ってもなく、涙を流しながら帰りました」と悲しげに回想する。
現在の心境を、「本当に辞める事が出来て心から良かったと思っています」と吐露。この会社はテレビCMでかなりポジティブなキャッチコピーを発信しているようで「(そんな)立派なことがよく言える会社だなと思いました」と綴った。
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