ホームレス救済を目的とするプロジェクトをローンチしたウィリアム皇太子。現地時間26日にはロンドン、ボーンマス、ウェールズを回り、現地の慈善団体や小学校を訪問した(画像は『Homewards 2023年6月26日付Instagram「We spent the afternoon celebrating the community of Newport!」』のスクリーンショット) ウィリアム皇太子が、ホームレスの救済を目的とする新たなプロジェクトをローンチした。「ザ・ロイヤル・ファウンデーション」による同プロジェクトは、今後5年間にわたり、英国内の6か所でホームレスの人々が住む場所を探す手助けをするという。皇太子は一日でロンドンとボーンマス、ウェールズを慌ただしく移動し、現地の慈善団体や小学校を視察した。
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ウィリアム皇太子が現地時間26日、ホームレスの救済を目的とするプロジェクト「ホームワーズ(Homewards)」のローンチを発表した。
この新たなプロジェクトは、皇太子夫妻が運営するチャリティ財団「ザ・ロイヤル・ファウンデーション」を通したもので、野宿やソファ・サーフィン(無料で自宅ソファを寝床として提供する)、その他の一時的な宿泊施設を過去のものとすることを目指している。
今後5年にわたり、英国内の6つの市や街を中心に、地元の団体と協力しながらホームレスの人々が住む場所を探す手助けをする。
各地域では、専門家やパートナー、資金提供者などの支援を受け、地域主導の行動計画を策定する。さらに「ザ・ロイヤル・ファウンデーション」は、住宅を提供する新しい方法を試みるため、各地域に最大50万ポンド(約9100万円)の資金を提供するという。
プロジェクトのローンチを発表したウィリアム皇太子は、一日で3都市を回り、現地を視察するという弾丸ツアーを行った。
まず26日午前に、ロンドン南部ランベス地区にある施設「モザイク・クラブハウス」を訪問した。この施設では、地域に住む精神疾患を抱える人々の支援などが行われている。
現地では、雑誌『ビッグイシュー』を販売するホームレスのデイヴ・マーティンさんと再会する場面もあった。皇太子は昨年6月、バッキンガム宮殿の近くにある路上でデイヴさんと一緒にお忍びで同誌を売っていた。
続いて午後には、イングランド南西部ドーセット州の海辺の街ボーンマスに移動し、現地の慈善団体「フェイスワークス(Faithworks)」の木工ワークショップを訪れた。同団体はドーセットの都市部で孤独や食糧難、ホームレスといったあらゆる問題を終わらせることを目的に、実践的なプロジェクトを運営している。
そしてこの後にはウェールズの都市ニューポートに向かい、地元のメインディー小学校(Maindee Primary School)を訪れた。現地では英女性グループ「スパイス・ガールズ」のメンバーだったジェリ・ホーナー(旧姓ハリウェル)と合流し、児童達と交流した。
ジェリは同プロジェクトを推奨しており、この日はウィリアム皇太子と共に、教育施設が早い段階で介入することでホームレス状態を防ぎ、子供達とその家族を支援する方法について学んだ。
ウィリアム皇太子は、ホームレスの数を減らすことに成功したフィンランドからのインスピレーションを得て、新たなプロジェクトを設立する決意をしたという。
皇太子はプロジェクトに対する思いについて、「近代的で進歩的な社会では、すべての人が安全で安心できる家を持ち、尊厳をもって扱われ、必要な支援を受けるべきです」と述べ、さらにこう加えている。
「私は幸運にも、このセクターの人々や組織のたゆまぬ努力、彼らの努力がもたらす具体的な影響を直接目にする機会を得てきました。地域社会がホームレスの管理ではなく、予防に焦点を当てることができた時に、何ができるかを目の当たりにしたのです。」
画像は『Homewards 2023年6月26日付Instagram「We spent the afternoon celebrating the community of Newport!」「Thanks for having us today Lambeth to celebrate the launch of Homewards Lambeth!」「Great to have kicked off our work with Bournemouth, Christchurch & Poole today.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)