英歌手エルトン・ジョン(76)が英国ツアーの最終公演として「グラストンベリー・フェスティバル」最終日のヘッドライナーを務めた。エルトンは今回をもってツアーから引退すると発表しており、母国での最後の記念すべきステージとなった。ピラミッド・ステージの前には10万人以上の観客が集まり、エルトンが代表曲を披露すると大合唱が巻き起こり、大いに盛り上がった。
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現地時間25日、英サマセット州のワージーファームで開催された大型野外音楽フェス「グラストンベリー」が最終日を迎えた。ピラミッド・ステージではエルトン・ジョンがヘッドライナーを務め、イベントのフィナーレを飾った。
この日はエルトンのツアー『フェアウェル・イエロー・ブリック・ロード(Farewell Yellow Brick Road)』の英国公演最終日であり、記念すべきステージとなった。同ツアーは2018年に米ペンシルベニア州で開幕し、今年7月にスウェーデンのストックホルム公演で幕を閉じる。エルトンは今回を最後にツアーから引退すると発表している。
エルトンの英国最後となるショーを観るため、ステージ前の広場には溢れんばかりのオーディエンスが集まった。そして午後9時過ぎ、金色のスーツに身を包んだエルトンが現れると、大きな歓声が沸き上がった。
ピアノの前に座ったエルトンは『ピンボールの魔術師(原題:Pinball Wizard)』でショーを開幕し、『ビッチ・イズ・バック(The Bitch Is Back)』『ベニーとジェッツ(原題:Bennie and the Jets)』などの代表曲を続けて演奏した。
そして観客に向けて「グラストンベリーで演奏できるなんて思ってもみなかったけど、僕はここにいるんだ」と話しかけ、こう続けた。
「僕にとって特別で感慨深い夜なんだ。これがイギリスでの最後のショーになるかもしれない。だから良い演奏をしなければならないし、みんなを楽しませなければならない。みなさんが長い間そこに立っていてくれたり、衣装やすべてのことに本当に感謝している。」
この後には、米バンド「ザ・キラーズ」のブランドン・フラワーズや英国で活動する日本人シンガーソングライター、リナ・サワヤマなどが飛び入り参加し、エルトンとのデュエットを披露した。
そしてエルトンが代表曲『僕の歌は君の歌(原題:Your Song)』『可愛いダンサー(原題:Tiny dancer)』『ロケットマン(原題:Rocket Man(I Think It’s Going to Be a Long, Long Time))』などを披露すると、会場では大合唱が巻き起こった。
この日は偶然にも、2016年に急死した英歌手ジョージ・マイケルの60回目の誕生日だった。エルトンはジョージと共演した楽曲『僕の瞳に小さな太陽(原題:Don’t Let the Sun Go Down On Me)』を披露する前、感動的なスピーチを行った。
「今日はとても特別な日だ。彼は英国で最もファンタスティックなシンガーであり、ソングライターのひとりだった。私の友人であり、インスピレーションを与えてくれた。今日は彼の60歳の誕生日だから、この曲を捧げたい。彼が残した音楽はすべて素晴らしい。これはジョージに捧げる曲だ。」
グラストンベリー・フェスティバルには毎年20万人が訪れるが、この日エルトンのショーが開催されたピラミッド・ステージ前には10万人以上のオーディエンスが詰めかけたという。そのため安全衛生上の警告が出され、将棋倒しなどの事故を防止するセキュリティ対策が取られたそうだ。エルトンの最後のショーを最前列で観るため、17時間前から場所を陣取る熱心なファンもいた。
英メディア『The Sun』の取材に対して、ある主催者は「こんなに多くの人が集まったのは、ここ数年以来だ。会場は大熱狂している」と話しており、またバックステージの関係者は「エルトンは今回のツアーで300回以上の公演を行いましたが、グラストンベリーは1回きりです。彼はこれ以上ツアーをやりたくない。疲れ切ってしまいますから。しかし彼は、どうしてもイギリス公演を大盛況で終えたかったんです」と語っている。
画像は『Elton John 2023年6月26日付Instagram「Thank you, Glastonbury!」』『BBC iPlayer 2023年6月25日付Instagram「“You can’t miss Elton John”」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)