世間には信じられないぐらい失礼なことを言ってくる面接官もいる。北海道に住む30代男性はかつて転職活動中に、「面接官の二人がどちらとも人をあからさまにバカにしてるとしか思えない」という面接を受けたことがある。なんと面接官は履歴書の資格欄を見るなり、
「この資格なんかここじゃ使わないよ、ざんね~ん」
などと嘲笑してきたという。それは今から4年ほど前、電子部品工場の面接を受けた際の出来事だった。一体どんな面接だったのか、編集部では男性に詳しく話を聞いた。
「趣味だから大した事ないんでしょ?」と馬鹿にされる
面接官は50代くらいの男性二人だった。
「一人は全くやる気を感じられないおじさん。もう一人はイスに座るやいなや足組んで腕も組み、テーブルの履歴書ばかり見てこちらを見ませんでした」
と最初から雰囲気が悪かったようだ。しかも履歴書の資格を見るや、
「この資格なんかここじゃ使わないよ、ざんね~ん」
と笑いながら返されたという。ちなみにその資格とはフォークリフト免許と「玉掛け」だった。玉掛けとは、工場や建設現場などで重い荷物をクレーンで持ち上げるとき、フックに荷物を掛けたり外したりする作業のこと。男性が応募したのは「製造業の機械操作」というから、全く的外れな資格ということでもないだろう。
また趣味を聞かれて「モータースポーツです、自分でも走らせたりします」と答えると
「趣味だから大した事ないんでしょ? それなのにハッキリ趣味ですとか答えて恥ずかしくないの?」
と再び笑いながら言われてしまった。実に勝手な決めつけだが、男性はモータースポーツにかなり力を入れており、
「月2でサーキット走行、車のメンテも自分でして大きい大会入賞経験あります」
とのこと。自動車整備をはじめとする機械の扱いに長けていることもうかがえる。資格も趣味も製造業にとってプラス要素にこそなれ馬鹿にされるいわれはまったくない。
しかし、失礼な発言はそれだけではなく、やる気のない面接官のほうからは
「そんなに暗い雰囲気だったら異性経験無いでしょ?」
とまで言われた。男性が憤るのは無理もなかった。面接が終わった後の心境を
「もう怒りを超えて、仕事を任すかもしれない人材をこんな人間に面接させてることに呆れしかありませんでした」
と明かしている。
「面接は企業の運命を左右するかもしれない重要な仕事」
後日、合否の連絡が来たが、結局この会社に入ることはなかったという。
「自分はこんな見下しながら否定しかしない人の元では働けないと感じたので後日、合格通知を電話で頂いた時に辞退しますと伝えました」
応募者をさんざん侮辱し嫌な気持ちにさせておきながら、おとなしく入社してくれるとでも考えていたのだろうか。
男性はこの後すぐに応募した食品工場に合格した。「資格のおかげで、待遇も良い会社で働いている」というから、判断はまったく正しかった。最後に、面接官とその企業に対しての思いをこう語っていた。
「面接は企業の運命を左右するかもしれない重要な仕事だと思います。それなのにあんなモラルも社会人としての礼儀もない対応をするとかあり得ないし、そんな人間に面接を任せる企業もあり得ません!」
後にその企業について男性が人伝えで聞いたところによれば、人手不足で事業縮小し利益もあがっていないということだ。ダメな面接官の二人によって、優秀な人材を逃し続けているのだろう。