2023年06月23日 10:41 弁護士ドットコム
食品大手の明治(東京都中央区)は6月13日、牛乳やヨーグルトなど40品目の値上げおよび内容量変更を発表しましたが、一部品目について「表記の変更」で対応したことがネット上で話題となりました。
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牛乳は2022年11月に、ヨーグルトは2023年4月に価格改定したばかりでしたが、飼料価格の高騰などによる生産コストや物流コストの上昇を受け、さらなる値上げに踏み切った形です。発表によると、牛乳などは8月1日出荷分から、ヨーグルトは9月中旬出荷分から変更されます。
注目を集めたのは、「R-1」などのヨーグルト飲料です。価格は据え置きで、現行の表記単位「ミリリットル(ml)」から「グラム(g)」に変更することで、内容量を約5%減らすそうです。たとえば、R-1の内容量だと、これまでの「112ml」が「112g」になります。
ネットでは、「よく考えるもんだ」「見た目の数字を一切変えないまま内容量を減らす、まさにマジック」と感心する声があがる一方、発表を知らない消費者だとパッケージの表記を見ないと値上げに気づけない可能性があるからか、「ずる賢い」「普通に値上げしてほしかった」といった声もありました。
質量(g)は、体積(ml)×密度(g/ml)で算出されます。密度は温度によって変化しますが、水に関してはおおよそ「1」なので、一般的に「1g=1ml×1g/ml」とされています。ヨーグルト飲料の密度は水より大きいので、単位表記を変えるだけでも約5%減となります。
明治広報部の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、ヨーグルト飲料については内容量変更を選択した理由につき、「生乳価格上昇の影響や、商品特性なども考慮し、さまざま検討した上で内容量変更にしました」と回答しました。
単位表記については、「当社の市販ヨーグルトではプロビオヨーグルトドリンクのみml表記となっていた」とし、「内容量を質量(g)で管理するため表記を統一することになった」と変更の理由を明かします。
同社の商品では過去にも「質量(g)表記への変更を実施してきた」と説明。内容量減と質量管理への変更を同時におこなった結果、「112」という数値が変わらず「ml→g」となったのが今回の「真相」のようです。