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法廷録音めぐり拘束された弁護人に再び退廷命令 厳戒の大阪地裁、2度目の制裁裁判はなし

2023年06月22日 17:31  弁護士ドットコム

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法廷録音をめぐって受けた退廷命令に従わなかったことが法廷の秩序を乱したとして、弁護人が制裁裁判で過料3万円を言い渡されたストーカー規制法違反事件の第3回公判が6月22日、大阪地裁であった。前回5月30日には、被告人女性の要望を受けて録音しようとした中道一政弁護士が手錠をかけられ退廷させられる事態となった。


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この日も訴訟指揮などについて、岩﨑邦生裁判官と中道弁護士による応酬があり、約30分後に退廷命令が出された。拘束はなかったが、4人の職員に囲まれる形で法廷を出たという。次回期日は未定。



弁護人に対する制裁裁判は約40年ぶりという異例の事態で、大きく報じられた。前回5月30日には10人にも満たなかった傍聴人は50人ほどに急増。傍聴人によると、前回一人もいなかったメディアも押し寄せていた。



制裁裁判は法廷秩序維持法に基づいて行われ、裁判の威信を著しく傷つけたとして「20日以下の監置」「3万円以下の過料」が規定されている。中道弁護士は過料3万円を言い渡されたが、現在は最高裁に特別抗告中だ。



岩﨑裁判官が、監置も辞さない構えを見せていたこともあり、注目が集まっていた。傍聴人などによると、岩﨑裁判官は録音不許可を改めて強調した上で、「録音しないと言わなければ、訴訟の進行を妨げるものとみなし退廷を命じる」などと厳しい姿勢だったという。



女性被告人に対する人定質問と起訴状読み上げが始まった際に、中道弁護士がICレコーダーで録音を始めたことで、退廷命令が出された。中道氏によると、廷吏とみられる緑色の制服を着た職員は前回よりも屈強で、1人増えていた。前回のように別室に隔離されることはなかったものの、地裁の敷地から出るまで書記官とみられる職員が付いて回る状態だったという。