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すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑 第3回 【その違いは?】線状降水帯・台風・JPCZ、じつはぜんぶ積乱雲!

2023年06月21日 11:01  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
今年もいよいよ梅雨の大雨や台風が話題になるシーズンに。天気予報を参考にしたり、空の様子を見て「そろそろ雨が降るかも?」と思ったりすることも増えそうです。そんな天気が気になる季節、数ある大気現象のなかでも観察しやすく、さまざまな姿を見せてくれる「雲」に迫った書籍が出版されました。

シリーズ累計40万部『すごすぎる天気の図鑑』シリーズ最新作、『すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑』(2023年3月発売・KADOKAWA刊)より、一部を紹介します。

"雲研究者"荒木健太郎先生による雲の知識と最新の研究結果を盛り込んだ一冊、読めば空の様子や天気予報がより面白くなるかもしれません。

全5回の連載、第3回は「積乱雲が集まるとどうなる?」です。
○積乱雲が集まるとどうなる?

単一の積乱雲は寿命も短く、地上にもたらす雨量はせいぜい数十㎜です。では、積乱雲が集まるとどうなるのでしょうか。

とくに梅雨の時期には積乱雲が風上側で次々と発生し、狭い範囲の同じ場所に数時間にわたって強い雨を降らせつづけ、集中豪雨が発生することがあります。このときの線状にのびた雨域や雨雲のまとまりを線状降水帯といいます。一方、いくつもの積乱雲が横に並ぶようにまとまって進むものはスコールラインといい、突風や落雷、短い時間の強い雨をもたらします。

日本の南海上で多くの積乱雲がまとまると、クラウドクラスターが発生します。これが低気圧となったものが熱帯低気圧で、最大風速が17.2m毎秒以上で台風になります。

冬季の日本海上では積乱雲が列をなす筋状雲や、発達した積乱雲が連なるJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が大雪をもたらすことも。積乱雲が集まって規模が大きくなると、より激しい現象をもたらして災害につながることがあるのです。
○熱帯低気圧

○筋状雲

○尾流雲

○雲の豆知識

夏の陸上では午後に強い雨が降りやすいですが、海上では早朝に降りやすく、集中豪雨も夜間に多いです。これは夜間に海上で湿度が増すためという説がありますが、詳しいしくみは未解明です。

なお、荒木先生のYouTubeチャンネル「荒木健太郎の雲研究室」では動画での解説を見ることもできます。

「『雲』を誰より深く知りたいときに読む本」
○『すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑』(KADOKAWA刊)

著者:荒木健太郎、定価:1,375円(電子版もあり)

『すごすぎる天気の図鑑』シリーズから飛び出した、スピンオフ企画!
数ある大気現象のなかでも観察しやすく、さまざまな姿を見せてくれる「雲」にフォーカスした、「雲のすべて」に迫った一冊です。
超詳しいけど誰でもできる「雲の見わけ方」をはじめ、雲の色や寿命、積乱雲の意外な性格、難しい雲の予報など、これを読めばあなたも立派な雲研究者。
雲が描かれた絵画や「雲」がつく言葉など、文化的な側面も取り上げ、ますます充実の雲本です!

⇒Amazon.co.jp『すごすぎる天気の図鑑 雲の超図鑑』

⇒公式サイト『すごすぎる天気の図鑑』

荒木健太郎 あらきけんたろう 雲研究者、気象庁気象研究所主任研究官、博士(学術)。1984年生まれ、茨城県出身。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲のしくみの研究をしている。 映画『天気の子』気象監修。MBS/TBS系『情熱大陸』など出演多数。主な著書に『すごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)、『世界でいちばん素敵な雲の教室』、『雲を愛する技術』、『雲の中では何が起こっているのか』などがある。 この著者の記事一覧はこちら(荒木健太郎)