【愛ゆえによ。愛ゆえに提言してるわけですから。クレイジーラブよ、クレイジーラブ。みんな松本さんが好きだって言うコメントするけどさ、松本さん好きすぎて芸人になったヤツ少ないじゃん。俺、なってるもんね】
オリエンタルラジオ・中田敦彦のYouTube動画が発端となり、お笑い界に止まらぬ大騒動に発展したダウンタウン・松本人志批判とも受け取れる発言。
「審査員やめて」との中田からの提言に対してか、《テレビとかYouTubeとか関係なく2人だけで話せばいいじゃん。連絡待ってる!》とツイッターで対面を“オファー”した松本。中田がようやく“アンサー”動画を投稿したのが6月8日のこと。
対面をやんわりと断りつつ、冒頭のように“松本愛ゆえの批判”と釈明してトーンダウンすると、相方・藤森慎吾の涙ぐましいフォローもあって炎上騒動も沈下しようとしていた、がーー。
【いや~、う~ん。まあなぁ。だって15年以内に成功してない人らのネタの大会やもんな、そもそも。しゃあないかなって感じちゃう? まあまあレベルは。いいんちゃう? いや、成功してないヤツらの……なあ。(ネタは)あんまりやったかな】
6月12日にYouTubeチャンネルを更新、新宿区の吉本興業本社を散策する動画を投稿した霜降り明星・粗品。社内で『THE SECOND』宣材ポスターを発見し、同行カメラマンから感想を求められると、腕を組んでしばらく考えた後に“成功してない人の大会”と言い放ったのだ。
「粗品くん、どう思う?」への“アンサー”
2023年5月に新設されたお笑い賞レース『THE SECOND』は、『M-1グランプリ』出場資格を失った、結成から16年以上のお笑い芸人を対象にしたコンテスト。中堅からベテランの芸人が集う大会は、粗品には「あんまり」に映ったのだろう。
そして『THE SECOND』の“顔”と言うべき大会アンバサダーを務めたのが松本。中田の松本批判に至ったそもそもの原因であり、動画内で【これ見てる粗品くん、どう思う?】と意見を求めた相手が粗品だった。
「彼の大会批判にも受け取れる感想は、中田への“アンサー”なのでしょう」とは、バラエティー番組に携わる放送作家。続けて「2人は似たもの同士というか、モノ言う“オレ様”気質な部分がありますから」と評する。
2018年の『M-1グランプリ』覇者であり、翌年の『R-1グランプリ』でもピンで優勝をかっさらった粗品。高校生ながら大会出場して舞台を踏んできた彼は、当時から一目置かれた“孤高の天才”だった。
「大学生時にNSCをすっ飛ばして吉本所属となった粗品。そんな将来有望なピン芸人とコンビを組みたがった芸人は多く、そんな天才がせいやを“選んだ”時は相当ざわついたそう。『M-1』優勝後は“第七世代”の旗頭として若手の代表格となり、一方で多才に多趣味、そしてギャンブル狂いと破天荒な一面もあるカリスマ。
その反面、若くして売れっ子になったからか、はたまた頭が良すぎるせいか、先輩後輩問わずに他の芸人を見下すような態度もしばしば。同じく“上から目線”でもの言う中田だからこそ、粗品にはシンパシーを感じているのでしょう」
今回、粗品が投稿した『THE SECOND』批評動画は、中田にとって心強い後押しになったのかもしれない。
粗品と中田の「決定的な違い」とは
一方で、お笑い芸人を担当してきた老舗芸能プロのマネージャーは「中田くんは本気の提言だと思うけども」と苦笑い。
「含み笑いする粗品の態度から察すると、“よっしゃ、乗っかったろ”と完全にネタ扱いの発言ですよ。中田くんに噛みついたせいやのことも含めて“もっとおもしろくしたろ”とばかりに騒動をイジっているんじゃないかな。
それに中田くんと粗品とでは決定的に違う部分があります。たとえ過激な発言をしたとしても、周囲には相方をはじめとした、イジったり拾ったりとネタに変えてくれる芸人仲間がいるということ」
吉本興業を2020年末に退社し、翌年に妻・福田萌ら家族とシンガポールに移住。以降は芸人よりもYouTube活動を中心にしている中田。時に、かつての芸人仲間や人気ユーチューバーとのコラボ動画も投稿しているが、基本は一人語りがメイン。
「頭のいい中田くんのことだけに、YouTube動画は誰かに相談するわけでもなく企画を立て、第三者からの意見やアドバイスもなく配信を決めているのではないでしょうか。オンラインだけでは生まれない、芸人同士の生の会話で揉まれることがなくなった彼は世間からどんどん乖離しているようにも見えますね」(同・マネージャー)
せめて遠く離れた地から気遣ってくれる藤森とネタ作りをしてはどうか。