映画「劇場版シティーハンター 天使の涙」プレス向け発表イベントの様子。 北条司原作によるアニメ映画「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」のプレス向け発表イベントが、本日6月13日に東京・EXシアター六本木で開催された。
【大きな画像をもっと見る】 公開日が9月8日に決定した「劇場版シティーハンター 天使の涙」。2019年に公開された前作「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」と同じく現代の東京を舞台に、物語は主人公・冴羽リョウの過去と、彼のパートナーであった槇村秀幸の死の核心に迫っていく。イベントには冴羽リョウ役の神谷明、こだま兼嗣総監督に加え、新キャラクター・アンジー役を演じる沢城みゆき、海原神役を演じる堀内賢雄が登壇し、トークを繰り広げた。またイベントでは映画の公開日のほか、本ポスタービジュアル、本予告映像、沢城、堀内を含む追加キャストなどが次々に解禁された。
フランスの実写映画「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」の日本語吹替版で香役を担当した沢城。吹替版では「伊倉(一恵)さん演じる香を継承するというより、(フランスの実写映画の香役の)エロディが演じる香を丁寧に日本語版にするというのをスローガンに演じていた」という沢城は、今回のオファーについて「本家本元の『シティーハンター』にこんな形で参加できるということで、本当にうれしかったです」と喜ぶ。堀内は「今から数十年前、TVアニメの第6話にゲストで出させていただいて。神谷さんのお芝居を見て、『僕もこんなふうになれるのかな』と思いながら、すごく緊張した記憶があるんですね。今回重要な役をやらせていただくことになって、プレッシャーもあり緊張もあり楽しみでもありましたけど、セリフに思いがあるから、(監督たちに)OKをもらうまではとがんばりました」と話した。
コロナ禍ということもあり、アフレコはそれぞれの部屋をオンラインでつないで収録するパターンが多かったという。沢城は、なんとか神谷、伊倉と一緒に演じたいとスタッフにお願いしたことを踏まえながら、「例えばリョウのことを一番表現できるのは香という感じで、相手の魅力を伝えながら、2人で会話していくんですよね。積み重ねてきた経験から生じたものを、スタッフの方たちとすり合わせていく作業に、今作っているというエネルギーを感じて素敵だなって」と2人の演技について振り返る。堀内は「海原神の哀愁や悲哀の演技を、入念に録っていただきまして。やっと眠ることができました」と述べた。神谷は海原のセリフを聞きながら収録したことに触れ、「まるで(堀内が側に)いるかのような感じでやらせていただきました。それはもう完成品を観ていただければ、すぐわかっていただけると思います」とキャスト陣の演技に太鼓判を押した。
最終章に突入することについて問われると、こだま総監督は「もう避けて通れない、冴羽リョウの過去を表現しなきゃいけなかったので、そこが一番難しかったです。何度も何度もシナリオの方たちと『どうやって表現しよう』と悩みましたし、北条先生からもたくさんアイデアをいただきやっと完成しました」と裏話を打ち明ける。神谷は「これで終わりかという思いで演じたんですけど、序章なのかなという印象もあるんですよね。ただこの作品を僕の表現で伝えると、『ゲラゲラ、わくわく、ハラハラ、ドキドキ、ジーン』。(物語が)遊園地のジェットコースターに乗っているかのように展開される。演じていて本当に面白かったです」と作品の感想を語った。
さらにイベントでは、新キャラクターであるピラルクー役の関智一、エスパーダ役の木村昴からもコメント映像が到着。神谷、伊倉とLINEを交換したという木村が、「『木村昴です』って送ったら、『素敵なお芝居をありがとうございました』っていう返事が来たもん」と関に自慢をすると、関が「俺も一緒の文面が来たもん」とすかさず返す場面も見られた。
そしてエンディングテーマ「Get Wild」を歌うTM NETWORKが、オープニングテーマも担当することが明かされると、TM NETWORKの小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登が登場。オープニングテーマ「Whatever Comes」を書き下ろすことについて小室は、「念願のオープニングとエンディング、両方ともTM NETWORKでできるという。最高です、ありがとうございます」と笑顔を見せる。加えて最新作「DEVOTION」から2曲と、未発表曲も劇中で使用されるというTM NETWORK。児玉総監督は楽曲へのリクエストについて、「オープニングテーマは明るいもの、クライマックスは冴羽リョウの決断を促すような音楽を作ってほしいと依頼しました」とコメントする。それに対し小室は、「Get Wild」に負けず劣らずのオープニングテーマを作らなきゃいけないというイメージを持って、制作に取り組んだことを打ち明けた。
話が「Get Wild」に及ぶと、同楽曲が体に沁み込んでいるという神谷は、「劇場版のリハーサル映像で『Get Wild』のイントロが流れてきた途端に、泣きそうになりました。すごい曲ですね。そういう素晴らしい曲をプレゼントしていただいた『シティーハンター』に幸せを感じました」と、しみじみ話す。宇都宮は「一番最初にエンディングでかかった瞬間、僕の声だって。感動がすごくて毎週毎週観ていました」と放送当時を振り返り、木根は「神谷さんたち声優の方々、ファンの方々、僕らとずっと何十年もこうして一緒に進んでこられたこと、すごく光栄ですし、本当に感謝です」と語った。最後に神谷が「9月8日、劇場で会いましょう!」と挨拶し、イベントは締めくくられた。
■ 「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」
2023年9月8日(金)全国ロードショー
□ スタッフ
原作:北条司
総監督:こだま兼嗣
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:高橋久美子、北澤精吾
音楽:岩崎琢
音響監督:長崎行男
制作:サンライズ、アンサー・スタジオ
配給:アニプレックス
□ キャスト
冴羽リョウ:神谷明
槇村香:伊倉一恵
槇村秀幸:田中秀幸
野上冴子:一龍斎春水
海坊主:玄田哲章
美樹:小山茉美
来生瞳:戸田恵子
来生泪:深見梨加
来生愛:坂本千夏
ピラルクー:関智一
エスパーダ:木村昴
アンジー:沢城みゆき
海原神:堀内賢雄
※冴羽リョウのリョウは、けものへんに「僚」のつくりが正式表記。
(c)北条司/コアミックス・「2023 劇場版シティーハンター」製作委員会