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クルマとアートの関係は? レクサスのCMFデザインチームに聞く

2023年06月13日 17:41  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
東京・南青山にあるレクサスのブランド発信拠点「INTERSECT BY LEXUS - TOKYO」では現在、アートインスタレーション「Kehai(気配)の森」を開催中だ。手掛けたのはレクサスの「CMF」を担当するデザイナーたちだというが、クルマとアートにどんな関係があるのだろうか。


○クルマの枠を超えた表現に挑戦



「Kehai(気配)の森」は「五感をデザインする」アートインスタレーションであるとのこと。手掛けたのはレクサスのCMF、つまり色(Color)、素材(Material)、仕上げ(Finish)を担当する国際色豊かなデザインチームだ。INTERSECT BY LEXUS - TOKYOでの展示は2023年7月初旬までの予定。


今回の展示で表現したかったことやレクサスにとってのCMFの重要性について、担当者に話を聞いた。



――今回の展示の意図は? 何を表現したかったのでしょうか。



担当者:この展示会では空間に入り、思い思いに巡り、さまざまな気配を感じ取りながら、ご自身のパーソナルな感性に響き合う発見をしていただければと思っています。



クルマの中にとどまらず、レクサスと関わるどのような時間をも、日々の複雑な思考から解放され、素に戻るような心豊かな時間にしたい、という想いをもってデザイナーは活動しています。普段は工業製品の枠組みの中でのデザインをしていますが、その枠を外してインスタレーションという形での表現を試みました。不確実な世界の状況の中で、未開拓の価値を探求し、カタチにしたものを皆様にご覧いただくことで、私たちの製品へもいかしていきたいと考えています。



――CMFご担当のデザイナーさんは「レクサスならではの室内での体験」をデザインしているとうかがっています。「レクサスならではの体験」とは、どういったものなのでしょうか?



担当者:クルマという移動するプロダクトとして、レクサスならではの走行感を感じてもらえている方、日常の中での移動、ビジネスでの緊張感のある移動、そこにはお客様がレクサスと共に過ごす「時間」があります。私たちは、その時間を豊かにしたいと考えています。まだ言語化しきれない、「豊かな時間を感じられる」とはどんなものなのかを、直観的にインスタレーションとして模索し表現しています。



――レクサスにとってCMFの重要性とは?



担当者:すべてのモノには表面があり、それは言葉にあらわしきれない「気配」の一部となってお客様にとどきます。レクサスはバンブーや西陣、切子など日本のクラフトマンシップにも注目し、テクノロジーと掛け合わせることでクルマのように精度が求められるプロダクトで成立させてきています。このような取り組みができるのはプレミアムブランドだからこそです。この取り組みを受け継ぎながら、私たちは「CMF」(color material finish)の枠を超えて「CMFX」を役割として担っていきます。「X」とはXperience、つまり経験を指し、クルマを中心とした総合的な体験をデザインしています。



――クルマは今、電動化や自動化で在り方を変えていっているところだと思います。今後のクルマにおけるCMFの役割や重要性についてはどのようにお考えでしょうか?



担当者:電動化していく車両構造、そしてカーシェアなどのビジネスの変革は自動車業界においてあらたな価値創造へのチャレンジになります。私たちの仕事はプロダクトの性格を表し、ブランドとしての思想を表す大きな役割を担っていくと考えています。自動運転化では、すでにクルマの内装がすこしずつ居住空間に近づいてきている現象がみられます。より充実した時間を過ごすための要素としてCMFXによる幅広い提供価値を探求していきますので、楽しみにしていてください。(藤田真吾)