スマホアプリから簡単にタクシーを手配できるようになり、便利さを実感している人も多いだろう。ただ、便利過ぎて「お客様は神様」の気分になっていないか注意は必要だ。東京都の現役タクシードライバーの男性(50代前半/交通・運輸)から、
「配車アプリが普及してきて若い方に頻繁に呼ばれる事も多いのですが、年代問わず一定数で首を傾げる方も多く」
という書き出しの投稿が届いた。客はかなり無茶な要求を平気でしてくるというのだ。(文:okei)
「反対車線の向かいにいるから回ってくれとのメッセ指示」
「ある日20代の男性にバス通りに面した交通量の激しい交差点で配車依頼をされました」
言うまでもなく交差点付近は駐車禁止だ。おまけに「交差点の角を指定され」と無理な要求をされていた。
「悠長に停車できる訳も無く仕方なく車の邪魔にならないところで待機していると座標はすぐ側にいるのに乗車されない? しかしそれらしい人はいない?」
交通量が多いバス通りならよけいに少しの停車でもはばかられる。それなのにタクシーを呼んだ客の姿が見えないのだ。男性が「いつバスが来て邪魔にならないかヒヤヒヤ」していると……
「反対車線の向かいにいるから回ってくれとのメッセ指示」
「そうでなくても一般車の邪魔になってる交差点でおもちゃのミニカーのように簡単に移動できる訳も無く交差点を見渡しても誰もいない」
車が反対車線に移動するには回り道をしなければならずそれなりの手間や時間がかかる。可能なら、歩行者のほうで近づいてきてくれるほうが早いだろう。しかし相手は移動する気はないようで、どんな客かもわからない状態だった。
結局、運転手の男性は「新手の悪戯かと配車キャンセルを押し早々に移動」とその客を見放した。この判断が業界的にどの程度妥当なものなのかは不明だが、その数時間後、会社から「客からクレームがあった」と言われたという。クレーム内容は
「こちらから移動を促しても動いてくれなかった等」
とのことだった。これに男性は「憶測ですが」と前置きしたうえで
「配車したらキッチリ目の前に停車しないとテコでも動かない方って一定数いるんです。今回もタクシー(お前)が客の前に来て乗せるのが当然だと言わんばかりでビル影にでもいたのかこちらからは見えないけどじーっと目の前に来るまで待っていたんでしょうね。ほんの数歩の距離ですが」
と憤りをにじませた。最後に
「ちなみに目的地も目と鼻の距離で、迎えに行った手間だけかかりこの手のお客は乗せたら乗せたで厄介事も多くホント乗せなくて正解だったと今も思っています」
と自身の判断の妥当性を綴った。アプリは便利な反面、お互いコミュニケーション不足になる困った一面もあるようだ。
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