スキー場では一歩コースをそれると「すぐに崖」ということもあり、雪が無い時期でも注意は必要だ。40代女性(パート・アルバイト)は20歳のとき、そんなスキー場内の道路で運転中に「死ぬかと思った」経験があるという。ガソリンスタンドでのバイト中に起きたことだった。
ある時、客から「ガス欠したから配達してほしい」と連絡があり対応することになった。「ガソリンを携行缶に入れて、会社の軽トラの荷台に積んで、お客様のいるスキー場へ」向かったが、女性は運転初心者だったという。(文:林加奈)
「ゲレンデに行くまでには結構なヘアピンカーブがあり、高低差もあります」
「このスキー場は途中まで車で行けるハイキングコースにつながっていて、広くはないですが、舗装された道路があります。ゲレンデに行くまでには結構なヘアピンカーブがあり、高低差もあります」
そんな狭い急カーブが続く山道を慎重に運転していたときのことだった。
「初心者だった私はなぜか突然のエンスト」
「たぶん、怯えて変な運転になっていたのだと今は思いますが、背後は崖、焦ってなかなかエンジンがかけられない。ブレーキから足を離したら勝手にバックする。本気で怖かったです」
崖への転落を防ぐものは「気休め程度の縁石のみ」だったというから冷や汗ものだったことだろう。しかし
「何をどうしたか全然覚えていませんが、何とかエンジンがかかり、命拾いしました」
と崖から落ちる寸前まで行き、かろうじて車ごと転落の危機から脱することができた。
無事に到着して客からもらったのは「チューインガム1枚」
その後ガソリンの配達を頼んだ客のところにたどり着き、ガソリンを入れて料金を受け取った。すると
「お客様から『ありがとう。これ食べて』と手渡されたのがチューインガム1枚。何かが欲しくてガソリンを持っていったわけではないし、そもそも仕事だし無事に届けられたのでそれでもいいのですが、命がけで行ったこともあり何とも微妙な心境になりました」
確かに、拍子抜けする女性の気持ちはわからなくもない。なお「あれ以来、夏にそのスキー場に行っていませんし、マニュアル車も運転していません」と懲りごりしたように語った。
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