6月9日、MotoGP第6戦イタリアGPのプラクティス1、2がムジェロ・サーキットで行われ、初日はフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が総合トップだった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はプラクティス2の最後のアタックラップ中に転倒を喫し、総合18番手で初日を終えた。
イタリアGPには、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)とミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)が復帰した。バスティアニーニは開幕戦ポルトガルGPスプリントレースの転倒による右の肩甲骨の骨折、オリベイラはスペインGP決勝レースで負った左の上腕骨骨折のために前戦を欠場していた。
フリープラクティス1は気温23度、路面温度33度のドライコンディションで行われた。序盤にトップに立ったのはアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)である。2番手にはドゥカティのテストライダーであり、今大会にワイルドカードとして参戦するミケーレ・ピロ(Aruba.it レーシング)、3番手にはホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が続く。
セッション終盤になるとピロがトップに立ち、2番手にバニャイアが浮上した。バニャイアは前戦フランスGP決勝レースの転倒により右足首を骨折した状態で、バイクから降りると少し右足を引きずるように歩いていた。
終盤に入るとタイムの更新が激しくなり、残り時間2分にはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップに立つ。しかしその後、このセッションの多くの時間、トップに立っていたアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)がクアルタラロのタイムを上回った。
プラクティス1をトップで終えたのはアレックス・マルケスだった。2番手はクアルタラロ、3番手には最後のラップでタイムを更新したブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリーレーシング)が浮上し、4番手がマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)、5番手はヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)だった。
バニャイアは終盤にタイム更新ならず、16番手。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は9番手、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は13番手だった。
フリープラクティス2は気温28度、路面温度43度のドライコンディション。序盤にザルコがトップに立ち、しばらくトップをキープする。セッション中盤には2番手にアレックス・マルケス、3番手にベゼッチ、4番手にバニャイア、5番手にマルティンがつけ、トップ5をドゥカティ勢が占めた。
残り時間13分、それまでトップを守っていたザルコのタイムを、アレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)、マルティンなどが更新し、さらに残り時間10分を切ってベゼッチがトップに浮上した。
残り時間11分、マルク・マルケスが14コーナーで転倒を喫する。マルク・マルケスは急いでピットに戻り、終盤のタイムアタックのためにコースインして走行を続行した。終盤は激しいタイムの更新となったが、残り時間1分、バニャイアが1分45秒436のトップタイムをマークする。
バニャイアはそのままプラクティス2を制した。2番手はベゼッチ、3番手はリンス。4番手はビンダー、5番手はマルティンだった。マルク・マルケスは終盤のタイム更新で8番手に食い込んだ。
クアルタラロは終盤にセクター1で提示されたイエローフラッグの影響でタイムを更新できず16番手、中上は最後のアタックで転倒を喫し、21番手。クアルタラロと中上はともにプラクティス1のタイムを更新できず、初日総合結果としてはプラクティス1のタイムでクアルタラロが15番手、中上は18番手で、Q2へのダイレクト進出を逃した。