海外への一人旅は安全に気をつけて臨みたいところ。ただ、多少の危険は起きるかもしれないと準備していたとしても、まさか命に危険が及ぶことになるかもしれないとは思わないだろう。
40代前半の女性は、ミラノへの出張の合間に訪れた南の離島で起きた「死ぬかと思った体験」について綴っている。
「夏なのにガタガタ震えるほど寒い」
女性は、出張の合間にできた4日間の休みを利用して、「ずっと行きたかった南の離島」へ一人で行ったという。その島と滞在したホテルについて、
「結構な田舎で、スーパーなどの営業時間は限られ、ホテルも夕方以降、フロントのスタッフは帰宅してしまい、何かあると電話で連絡するシステムでした」
と振り返る。たった一人で初めて訪れた島でこの状況は、かなり不安を感じそうだ。
離島に滞在して3日目、女性は朝から夕方までのシュノーケリングツアーに参加した。ところがホテルに帰るなり、体に異変が起きたという。
「急にだるさと、急激な寒さを覚えました。おそらく熱もあり、夏なのにガタガタ震えるほど寒く、はじめての体験でした」
部屋には、水どころか何もなかった。女性が気づいた時には午後6時で、既にフロントも閉まっていた。
「ホテルの電話にかけても誰も出ない状況で、オフシーズンだったことから、ホテル中、どの部屋からも人の気配がありませんでした」
体調は悪化する一方にも関わらず、助けを求めることができない状況に、女性の不安はほどなく恐怖へと変わっていったのは想像に難くない。女性はその時の様子について、臨場感あふれる文章を綴っている。
「廊下を誰か通るのをなんとか意識を失わないように1時間ほど待ち、音がしたところでドアを開けて、英語が片言のイタリア人女性(アフリカ難民のボランティアで島に滞在している方)になんとか体調が悪いと伝えたところ、同じホテルに医者が宿泊していると教えてもらい、彼が帰ったら呼びに来てもらえることになりました」
しばらくしてイタリア人女性は、男性医師が戻ったことを知らせに来た。女性は自ら医師に病状を説明したところ、熱中症であるとわかり、医師の指示通り水分をとり静養して事なきを得た。また、イタリア人女性は水の他に、米と塩をくれたという。女性は静養して夜中に起きられるようになり、お粥を作って食べたそうだ。
「言葉の通じない海外の田舎に一人ぼっちで、あの女性がいなければ、死んでたかもしれないと思います」
とんだ災難に見舞われたが、ホテルにはボランティア精神溢れる現地女性に加え、医師も滞在していたというのだから、女性は実は強運の持ち主かもしれない。
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