好きなことを仕事にできたら最高だ。ゲーム好きの人は、「ゲームしてバグを見つけるだけ!」と書かれている募集広告を見つけたら、飛びつきたくなるだろう。
ところが実際に働いてみたら、職場環境や人間関係に難ありということは珍しくはない。愛知県の30代後半の男性(愛知県/営業正社員・職員/年収600万円)は、ゲームアプリのデバッカーを1か月でやめた経験があるという。
「数十人いる室内全員に住んでいる場所、休む理由を言わされる」
男性はデバッカーとして、名古屋市内の会社に勤務した。前職で「人と関わる仕事に辛さを感じた」ため、ゲームアプリ会社の「採用応募の謳い文句『ゲームしてバグを見つけるだけ!』に惹かれ応募しました」という。
ウェブ面談だったが、対応が丁寧だったことから、「請負業と知りつつも働きたい意欲が湧いた」。直接雇用でなくてもいいと判断したようだ。
勤務初日を迎えた男性は、「使ったこともない端末を渡されて放置状態でした」と振り返る。周囲の人々に教えてもらおうとするものの、「皆さん同じ立場で働いているためか嫌な顔しかされず」。彼らも同じ請負契約であるため仕方ないとしても、正社員は一人もいなかったのだろうか。
加えて、
「日に一度はプロジェクトのリーダーの方が、腹いせのような怒号を室内に響かせていました」
とあり、労働環境も人間関係も劣悪だったようだ。
シフトに関してもトラブルが起きていた。休日の予定を事前に伝えたが、後で確認すると出勤扱いになっていた。そこで問いただすと、「担当じゃないから知らん」「君みたいな人は社会で何の役にも立たない」という具合に、「無関係な人格否定」が始まる始末で、男性は退職を決意したという。
そもそも休む場合には、「数十人居る室内全員に住んでいる場所、休む理由を言わされている人がいたり、プライバシーも何もあったものではありませんでした」とあり、まるでペナルティか何かのようだった。男性は勤務した1カ月の間に、複数の人が去っていたのを目の当たりにし、「人を育てて長く働いてもらおうという考えはなかった会社なんだと思います」と振り返った。
現在男性は、「今は地元の会社に就職することができ、妻も喜んでいます」とあり、1カ月で辞めるという決断を理解してもらえた妻には心から感謝していることだろう。