あまり付き合いの深くない友人から結婚式に招待されたら、相手の意図を疑ってしまう。都内の50代女性（教育・保育・公務員・農林水産・その他／年収100万円未満）は、音大時代に1年だけ関わった女友達から、結婚披露宴の招待状を受け取ったことがある。今から約20年前のことだ。
「私は遠方に住んでいましたが、出席の予定で準備をしていました。特別仲が良かったわけでもないのに、『披露宴で演奏や司会をしてほしい』と頼まれ……」
女性が出席を決めたのは間違いだったかもしれない。女友達は図々しくも、次々に常識外れな行動を取り始めたのだ。（文：福岡ちはや）
「音大仲間がすべて無料でやってくれると思い込んでいました」
女性いわく、「彼女はドケチ」。結婚式の司会や受付などの役割を引き受けてくれた人には、新郎新婦から謝礼を包むのが常識だが、
「（その女友達は）謝礼など、はなはだするつもりなんてない話しっぷりで、音大仲間がすべて無料でやってくれると思い込んでいました」
というから驚くばかり。さらにある日突然、女性のもとに彼女から1通のFAXが届く。その内容は、
「披露宴会場のホテルに5～6万円の価格で宿泊申込みを斡旋」
という衝撃的なものだった。飛行機代や宿泊が伴う結婚式は招待した側が費用を負担することもあるのに、招待客が負担する宿泊料としてはいくらなんでも高すぎる。女友達の一連の「身勝手な言動」に憤慨し、耐えられなくなった女性は、
「すでに格安ホテルを事前に押さえていたり、往復飛行機も早割プランで押さえて、それでもだいぶ金額がかさんで、専業主婦にはかなり厳しかったです」
「こちらもFAXで返信しました。『結婚式は欠席させてもらいます。今後のお付き合いもやめます！』ときっぱり絶縁しました」
と結末を綴った。
実は、この話には続きがある。女性は、
「後日談。彼女は結婚が破談になったため、そもそも披露宴なんてあってなかったものとなりましたとさ」
と明かした。なぜ破談になったのかは、なんとなく察しがついてしまう。
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