2023年06月01日 13:41 弁護士ドットコム
モデルでタレントのロイさんが、東京都内で運転中に道路交通法違反(速度超過)を起こし起訴されたことを、所属事務所が5月31日に公式サイトで明らかにしました。
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発表によると、事故が発生したわけではなく被害者もいないものの、起訴を受けて活動を一定期間自粛させるとしています。
スピード違反では反則金の納付で手続きが終わることが多いですが、なぜ起訴にまで至ったのでしょうか。
交通違反は、本来は刑事事件として「捜査→起訴→裁判」という手続きで処理されます。しかしすべての違反を捜査して起訴するのは、捜査機関・違反者双方にとって負担が大きいため、比較的軽微な違反については反則金を支払うことで刑事事件にせず手続きを終了とする「交通反則通告制度」があります。「青切符(交通反則告知書)」が交付された場合は、同制度の対象です。
制度が適用されない違反については、「赤切符(告知票)」が交付され、通常の刑事手続きで処理されます。
スピード違反の場合、「一般道では時速30キロメートル未満、高速道路では時速40キロメートル未満」の超過なら青切符、「一般道では時速30キロメートル以上、高速道路では時速40キロメートル以上」なら赤切符です(道交法施行令別表第6)。
青切符でも、違反した事実を争って「無実」を主張したい場合は、切符作成・受領を拒否、あるいは反則金を支払わないで、交通反則通告制度の手続きを拒み、刑事手続きに進む必要があります。
ロイさんのスピード違反については、どこでどれほど超過したのかは明らかにされていません。交付された切符の色も不明です。
ただ、事務所発表では、「普通乗用車を運転中、東京都八王子市内にて道路交通法違反(速度超過)を起こし」とあり、スピード違反をした事実は認めているとみられます。
違反事実を争わない場合は通常、青切符なら反則金を支払って手続きを終わらせることを選択すると考えられます。起訴され有罪となった場合と異なり、前科がつかないためです。
ロイさんがスピード違反を認めているにもかかわらず起訴されたのであれば、一般道なら時速30キロメートル以上、高速道路なら時速40キロメートル以上のスピード超過をして、赤切符を交付された可能性が高そうです。
「起訴処分」の内容も不明ですが、今後は略式手続きか正式な裁判となります。一般に時速80キロメートル以上超過した場合には、正式な裁判となることが多いとされます。