ヤマザキマリととり・みきによる「プリニウス」の最終12巻が7月7日に発売される。これに際し、作者2人からコメントが到着した。
【大きな画像をもっと見る】「プリニウス」は古代ローマを生きた、史上もっとも有名な博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスを主人公にした物語。プリニウスは「博物誌」執筆のため、書記のエウクレスや護衛のフェリクスらとローマ帝国や地中海周辺、アフリカを旅する。最終巻ではウェスウィウス(ヴェスヴィオ)火山の大噴火や、ポンペイの街を巻き込む火砕流など迫力満点のシーンが見どころだ。同作は2013年12月に新潮45(新潮社)で連載スタート。同誌の休刊に伴い、2018年より文芸誌・新潮(新潮社)に掲載誌を移して、同誌初のマンガ連載として発表された。
■ ヤマザキマリコメント
大プリニウスを漫画に描いてみよう、と思い立った当初はまさかこれだけ長い連載になるとは想像もしていませんでした。 プリニウスにしてもネロにしても、その人間像は描けば描くほど自分の想像とは違う性質を帯びていき、彼らの意表を突かれるような言動や発想についていけなくなることもありました。 ですが、この10年の連載を経て彼らは私にとってのかけがえのない同志となりました。 連載が終わり、私も2000年前から現世に戻ってきたような気持ちです。 読者の皆様、これまでありがとうございました。
■ とり・みきコメント
描き始める前に固く決意したのは「効果を考えての省略は別として、入れられる背景は全部描きこむ」ということでした。 「博物誌」を著した人間を描くなら、そのマンガも「博物誌」のようにあらねばならないと考えたのです。 実作業はもちろん、調べることも多く常に時間との戦いでしたが、描き終えたいまは現在の自分が出来ることはすべてやりきった、という想いです。 この題材に声をかけてくれたヤマザキさんに感謝します。 彼女のような希有の才能と長く一緒に仕事できた、そのことが私のいちばんの喜びです。