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「電卓って使えますか?」年齢で無能扱いされた男性 その後、面接官と再会し皮肉を放つ

2023年06月01日 06:10  キャリコネニュース

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人を年齢だけで判断するのはよろしくない。鳥取県に住む60代前半の男性(その他/個人事業主/年収250万円)は、ハローワークを通じて地域の観光施設の仕事に応募した。職種は受付だったが「面接者から 飛び出した言葉に驚きを隠せませんでした」と振り返る。なんと

「手が震えて字が書けないとかってないですか?」

と聞かれたというから驚きだ。(文:okei)

「手が震えて字が書けないとかってないですか?」

男性は「手書きの履歴書とパソコンで作成した職務経歴書を提出」し、施設の事務所で面接に臨んだ。そこで

「あの、手が震えたりしませんか?」

と妙な質問が飛んできた。男性は聞かれた意味がよく分からず、思わず「はっ?」と聞き返したという。その後こんなやりとりがあった。

「手が震えて字が書けないとかってないですか?」
「いえ、普通に書けますが」
「電卓って使えますか?」
「はっ?」
「受付でお金の計算しないといけないんですけど、計算大丈夫ですか?」

いくらなんでも無能扱いがひど過ぎる。男性は「だんだん腹が立ってきましたが、『いえ、大丈夫です』と感情を抑えて応えました」と大人の対応を貫いた。他にも「割引とか色々覚えることが多いが大丈夫か」とも聞かれたという。さすがに呆れたようにこう書いていた。

「履歴書を見れば字が震えているかどうかはわかるだろうし、職務経歴書を見れば普通にパソコン使っていたり、それなりに複雑な業務もこなしてきていることは分かるだろうにと思ったが、まあ年齢的に心配なのだろうかと考えて素直に応えて面接を終えた」

結局不採用の電話が来たが、同施設の「園内の清掃や花の世話等」の仕事も募集すると聞き、応募することに。また改めて面接があり、再び施設に赴いたのだが……。

「今度は、体力的なことや現場の主任が若い女性だが大丈夫かといったことを聞かれて、体力には自信があることや前職の現場でも年齢が下の女性の下で働いたこともあることを伝えたが、結局不採用だった」

と無駄足に終わる。「その間約2か月。先方に振り回された感じで終わり、なんともモヤモヤとしたものを感じたまま次の就職先を面接」と切り替えた。しかしそれがよかったようだ。

「ダメ元で受けた町のケーブルテレビ会社に合格した。入社早々カメラ片手に背景用の風景撮影に出たり編集機の操作を習って編集の練習、地域のラジオ体操の取材と編集作業等々、目の回るような仕事をこなすことに」

忙しいながらやりがいのある仕事に就くことができた様子だ。その後意外なことがあった。

面接した人に再会「とても気まずそうな顔をしていた」

そのうちに、風景撮影のため「不採用となった観光施設に撮影に行くことに」なったという。

「事務所で許可証をもらうときに、私を面接した人に出会った。相手は私の顔を見て、小さく、『あっ』と言って、『どうも』と言ってきたので、私も『その節はどうも。〇〇テレビに採用になりまして、覚えることが多くて大変ですわ』と言ったら、とても気まずそうな顔をしていた」

ちくりと皮肉をこめた男性、少し溜飲が下がったのではないだろうか。ただ、「私にはもはや関係ないことと考えることにしました」と割り切ってもいる。最後に

「私の年齢を考えてまともな仕事なんてできないだろうと思われたのかもしれないが、面接を受けに来ている人も、そこを離れれば客となる場合もあるという想像力もない上司のもとで働かなくてよかったと思っています」

と清々したように綴った。

※キャリコネニュースでは「面接での信じられないエピソード」をテーマにアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/74FZSHAJ