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「入社日の前々日まで入社式があることを知らされなかった」中途採用が冷遇される会社を2週間で退職

2023年05月31日 06:20  キャリコネニュース

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数日で仕事を辞める人を「忍耐力が足りない」と非難する人がいるかもしれない。しかし、なかには会社側に問題が多いケースもある。広島県に住む30代前半の女性(正社員・職員/年収350万円)は旅行会社の事務職に中途採用されたが、次々に浮上する会社のずさんな体制に面食らい、2週間で退職した。

「入社日の前々日まで、本社で入社式があることを知らされていなかった」

「入社式があるのは新卒のみで、中途入社は8時半から11時過ぎまで何の指示もなく、別室で待機させられた」

など早くも入社式の時点から会社の対応に不満を抱き始めていたようだ。しかし、これらはまだ序の口のエピソードにすぎない。(文:福岡ちはや)

既存社員に名前を聞いても「私のことは覚えなくていいです」

この会社では、新卒と比べてなぜか中途採用の扱いが酷かった。前述のとおり入社式は直前まで知らされず、別室で2時間半以上待たされたあげく

「やっとで入ってきた社員は長時間待機させたことを詫びもせず、威圧的なタメ口で、『朝礼するからこっち来て、急いで』とだけ伝え、部屋移動を促した」

というから結局ちゃんとした入社式は無かった模様。しかも学歴に関係なく給料にも格差があった。

「会社説明により、大卒の中途入社より2年制専門学校卒の新卒のほうが、基本給が5万円も高いことがわかった。業務内容は同じ」

また勤怠管理のやり方も酷く、会社独自の勤怠ルールについて次のように説明する。

「始業は9時からだが8時半出社を命じられ、8時半を過ぎて打刻すると30分単位で遅刻控除された。公共交通機関の遅延も遅刻となった」

「タイムレコーダーは始業用と終業用と分かれており、それぞれ30分繰上げ・繰下げされていて、毎日実質1時間のサービス時間外があった」

9時始業にもかかわらず、8時半をすぎると遅刻扱いになる無茶苦茶さ。タイムレコーダーのくだりは、労働基準法的に完全アウトである。

「募集要項には隔週土曜日・日曜日休みとあったが、固定休は日曜日のみで、勤続年数順に月~土の中から1日選択して休むという決め方をしていた。連休を作るために必然的に月曜日と土曜日から埋まるので、後輩ができるまで連休を取るのは難しいと感じた」

と休みを取るにも中途採用には厳しい環境だ。先輩社員も問題のある人が多かったようで「部長を名乗る20代半ばくらいの男性の身だしなみがだらしなかった」をはじめ、

「既存社員に名前を聞いても『私のことは覚えなくていいです』と返事された」

「新人である私に対して、上長が既存社員の愚痴を吐くという考えられないことも一度や二度ではなかった」

といった問題点は挙げればきりがないようだった。結局2週間で辞めた女性は「いいかげんな会社で働くつもりは毛頭なかったので、早めに見切りをつけて退職して非常に満足している」と語る。現在、別の会社で事務・管理の仕事をしており、

「社会保険や雇用保険の手続きをまだしていなかったらしく、職歴に傷がつく前に退職できたことも大きかった。幸い、前職のツテですぐに転職先も見つかったため、職歴に穴をあけずに就職できた」

と明かした。