5月28日、NTTインディカー・シリーズ第6戦『第107回インディアナポリス500マイルレース』の決勝がアメリカ、インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催され、ファイナルラップでトップに浮上したジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が悲願のインディ500初制覇を達成した。
ニューガーデンは2017年と2019年の2度シリーズチャンピオンを獲得しているが、これまで11回にわたって挑戦してきた『インディ500』では未勝利に終わっていた。200周で争われるレースの最終ラップで、前年のインディ500覇者であるマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)を逆転したアメリカ人は、今年ようやく栄冠を掴みボルグワーナートロフィーを獲得している。
「周囲から『なぜこのレースで勝てないのか』と、ずっと聞かれてきた。インディ500で勝たなければ、まるで失敗した人のように見られていたんだ」と語ったニューガーデン。
「だから、僕はこのインディ500ですごく勝ちたかった。そして、それができると思っていた」
「僕たちにはパフォーマンスがあるとわかっていた。誰もが知っているように、これは大きなチームの努力だ。ここに来られて本当にうれしいよ」
決勝を17番手からスタートしたニューガーデンは、直前にリードを奪われ2番手で迎えたファイナルラップのターン3手前のバックストレートでエリクソンをアウトサイドから抜き去り、0.0974秒差でライバルを先行してトップチェッカーを受けた。このタイムギャップはインディ500の歴史の中で4番目に小さいものだ。また、最終ラップでの逆転劇は歴史上3回目の出来事だった。
このレースでは最終ラップを含めて5周しかリードしなかったニューガーデンは、「僕はただ、ロックインすることを心がけていた」と述べた。
「最後の10周は、僕たちが最後の最後で優勝を争える位置にいることが分かっていたから感情的になっていた」
「簡単なことではないと思っていたよ。最近はいつもそうだが、最後はシュートアウトのようになると思っていたし、それはエキサイティングだが大きなストレスにもなるんだ」
一方、2連覇達成を目前にして敗れたエリクソンは、レース最終盤の赤旗中断とラスト1周の対決に失望感を示した。
「今日はすべてうまくいったと思う」と語ったエリクソン。
「8号車のクルーとチップ・ガナッシ・レーシングの皆を誇りに思う。最後のリスタートは素晴らしかった。ジョセフ(・ニューガーデン)を完全に油断させ、ギャップを広げ、リードを保ったままターン1に入ったと思う」
「ただし彼を後方で我慢させることができなかった。僕はフラットになってしまい、順位を維持することができなかった」