isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
脳髄がスパーク
今週のおひつじ座は、これまでとは少し違った出会いをきっかけに、何かが開けていくような星回り。
『花は木を讃へ泰山木ひらく』(柘植史子)という句のごとし。生ぬるい風のなかに漂う、濃厚な甘い香りに誘われてこの樹木と対峙したとき、作者はこんな見事な花をつけたことを、花は幹や葉や根に感謝しているに違いないと直感し、心が動いた。
ここでは日常において感覚的偏りとして潜んでいた俳句の萌芽(ほうが)が、偶然の嗅覚体験をとおして、一気に覚醒していったのだとも言えます。
あなたもまた、いつも以上に深い呼吸を意識して過ごしていくべし。
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浸り浸られひたひたと
今週のおうし座は、自分が属している生息域/生態系全体を根本から支えていこうとしていこうとするような星回り。
「植物について問うとは、世界に在るとはどういうことか理解することにほかならない。植物は、生命が世界と結びうる最も密接な関係、最も基本的な関係を体現する」と語ったのは、現代イタリアの哲学者コッチャでした(『植物の生の哲学』)。
葉の働きに象徴される植物の存在形式について、コッチャは「浸る」という独特の言葉遣いで説明しています。すなわち、「浸るとはまずもって主体と環境、物体と空間、生命と周辺環境との、相互浸透という<作用>」なのであり、「世界のうちに存在するとは、アイデンティティを共有するのでなく、常に同じ<息吹(プネウマ)>を共有することだ」なのだ、と。
あなたもまた、自身の活動や関係性にさりげなく植物特有の「浸る」ような動きを取り入れてみるといいでしょう。
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弾丸、それか運命
今週のふたご座は、自分が身を置いている環境が“戦場”であるという実感を改めて持っていくような星回り。
『われを狙ひし弾が樹幹を削る音』(鈴木六林男)という句のごとし。おそらく掲句のような実際の戦場では、視覚で得られる情報以上に、聴覚でどれだけ危機察知できるか否かが生死に直結していたはず。
ひるがえって現代社会では、SNSなどの情報プラットフォームや“注意経済”が圧倒的に視覚を通して人々の行動や選択を左右しているという決定的な違いはあるものの、不安や恐れが人々の主要な動機付けとなっているという点では約80年前の戦場とほとんど変わっていないのではないでしょうか。
あなたもまた、現代という戦場を生き延びるためには何が必要なのか、相応の危機感とともに見定めていくべし。
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社会的コードから外れる鍛錬
今週のかに座は、思想的な豊かさの土台としての“足腰”をあらためて鍛えていこうとするような星回り。
政治哲学者で、フランス革命を大きく後押ししたことでも知られるジャン=ジャック・ルソーは、晩年に著した『孤独な散歩者の夢想』の中で「わたしが集中できるのは歩いている時だけだ。立ち止まると考えは止まる。わたしの精神は足がともなう時だけ働くようだ」と書いていました。
無目的な旅や散歩ひとつとっても、それは普段の生活システムの外へと飛び出してまなざしを反転させ、「外」からその限界だったり不足だったりを明らかにしていく決定的なきっかけとなりうるのだということを、ルソーはよく知っていたのでしょう。
あなたもまた、意識を狭い範囲に囲い込みがちな制度的なまなざしの“外”へと自分の足で歩いていく機会をきちんと確保していきたいところです。
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素足と額
今週のしし座は、直接体験できる機会をこそ最優先していこうとするような星回り。
『夏河を越すうれしさよ手に草履』(与謝蕪村)という句のごとし。
掲句はオンライン参加やレビューありきの選択が当たり前になりつつある現代の社会傾向に対して、「その場にいること」や「余計な知識や情報をはさまずに物事にあたること」など、直接的体験の称揚を伝える声という文脈で解釈していくこともできるはず。
あなたもまた、へたな理論武装や二次情報、三次情報などはかなぐり捨てて、身ひとつで体当たりすることを大切にしていくべし。
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タッグを組んで生きていく
今週のおとめ座は、大地の夢にみずからも接続していこうとするような星回り。
ともに詩人であり、それぞれ屋久島とシエラネバダの山中に暮らしていた山尾三省とゲーリー・スナイダー。
彼らは、ひとつの場所に住み、周囲の環境と一体化していくという視点からみずからを再教育していく生き方を「再定住」と呼び、その中で植物、土壌、動物、あるいは気候などに関する正確な知識を獲得しつつ、生態系に対する人間の責任を確認することの重要性について語っています。
あなたもまた、自分が現に生きているその「場所」を、できるだけ深く掘り下げてみるといいでしょう。
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虚実を行ったり来たり
今週のてんびん座は、みずから想定外の状況や文脈へと頭をつっこんでいこうとするような星回り。
『遮断機の今上りたり町薄暑』(高浜虚子)という句のごとし。掲句はただただ存在していた私たちが、生き生きと現象している私やあなたや彼らへと、場面転換していく一幕を描いているのだとも言えます。
まるで、無色透明だった幽霊たちが、スクリーンセーバーみたいにさまざまな色を帯びて実体化し、それぞれに異なる軌道や動きを伴いつつ交錯したり、バラけていったりするように。
あなたもまた、みずからの人生に起きるイレギュラーな遊び(虚)や調和を乱すカオス(混沌)を少なからず受け入れてみるといいでしょう。
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真に欲するべきもの
今週のさそり座は、自分が何かを取り込んだり、逆に自分が取り込まれてしまったりしていく動きが活発化していくような星回り。
児童文学研究者の川端有子は、成育過程にある子供にとって、食べることは「大きくなる」という快感であると同時に、「自分の身に起きる不可解な感覚」でもあるとも述べています。
しかし、それは自分がそれ以前とは別物へと変わってしまう変容・融合体験に対する感じ方の2つのベクトルであり、後者をこじらせてしまうと、時に拒食症などの心身の症状として表面化してくるのではないでしょうか。
あなたもまた、少しでも自分がこの世にあることを肯定できるよう、食であれ情報であれ、自身の内側に取り込んでいくものに改めて注意を向けていくべし。
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サングラス越しの高揚
今週のいて座は、生きる実感の一瞬の高まりを捉えていこうとするような星回り。
『高速は静止に似たりサングラス』(和田悟朗)という句のごとし。
作者は「サングラス」で脇を固められた「静止」がかすかにゆらぎ、「生死」の境い目を高速で駆け抜けるその一瞬にこそ生きる実感を得ていて、掲句はその貴重な成果なのかも知れません。ひるがえって、あなたはそんな昂揚感を最近いつ覚えたでしょうか。
今週は、いて座のあなたにとってそんな「瞬間」を言葉で捉えていく絶好の機会となっていくでしょう。
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“正しさ”を超えていくために
今週のやぎ座は、あえて「ご隠居」的に生きる感覚をつかんでいこうとするような星回り。
アーティストで作家のジェニー・オデルは、居を構えるオークランドを見下ろす山々の中で1本だけ残った原生レッドウッドで、「オールド・サバイバー」という愛称で呼ばれる老木から受けとった2つの教訓について書いています(『何もしない』)。
第一の教訓は、抵抗すること。もう一つの教訓は、過去や生態系とのつながり。
あなたもまた、現行の流行やスタンダードな目標からいかに身を引いていけるかということがテーマになっていきそうです。
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でくのぼうモード
今週のみずがめ座は、ごく自然な脆弱さへと回帰していこうとするような星回り。
『向き合うてふつと他人やかき氷』(津川絵理子)という句のごとし。どんなに仲の良い人間であれ、ふっと距離感を覚えることはある。というより、親しい仲であるがゆえに、不意にひろがったすき間に「ふっと」淋しさを覚えたのでしょう。
作者はその淋しさを「かき氷」とともに詠むことで、鮮度を長持ちさせることを選んだ。それもまるで冷蔵庫にでも入れるように。
あなたもまた、人間関係から無理な力みをとっていくことがテーマとなっていきそうです。
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やさしくなくては生きる資格がない
今週のうお座は、自身が果たすべき「責任」の文脈を明らかにしていこうとするような星回り。
日本財団が2019年に各国の18歳1000人に行った調査によれば、「責任ある社会の一員」と考える日本の若者は約30~40%と他国の3分の1から半数近くにとどまったそうです。
ここでいう「責任」とは、「responsibility」のこと。これは「応答」を意味する「response」から来ており、責任とは応答することと深く関係していることになります。ところが、帰責性の文脈における責任とは、決して心が自然と動いて取られるようなものではなく、むしろその逆なのです。
あなたもまた、いかに応答し続けていけるかをみずからに問うていくべし。
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