ここ最近のパチンコの出玉性能は凄いことになっている。ST突入率こそ50％とか、それに少し毛が生えた程度だったりするものの、一度STにぶち込めば80％以上の確率で大当たりがループする。そういうイカれた仕様がすっかり当たり前のものになっている。
そのラッシュ中に当選する大当たりは1500発とかだったりする。つまり等価換算だと1回の当たりで6000円相当の出玉が得られることになり、これが下手すると10連、20連と継続してしまうのだ。
正直僕は、こういう仕様が当たり前になってからというもの、パチンコが怖くなってほとんど打てなくなってしまった。かといってパチスロが勝てるってわけでもないけど。
ギャンブル依存の自覚がある僕ですら「これに慣れるとヤバいぞ」と思っちゃうぐらいに、昨今のパチンコの性能って凄い。まさに庶民の娯楽の範疇を逸脱しかねない、かなりピーキーで、良くいえば夢のあるスペックが現行パチンコにはいくつか備わっている。
ところが、そんな苛烈な出玉性能を有する機種がある現在なのに、「今のパチンコは終わってる」と評するパチンコファンがいる。その主張を今回は紹介してみたい。（文：松本ミゾレ）
「ST突入率50％の機種ばっかりで終わってる！」たしかに主力機種はそんなのばかりだけど…
先般、5ちゃんねるに「今のパチンコの惨状って過去で一番ヤバいやろ」というスレッドを立てている人がいた。熱烈なパチンコファンである。
彼は、現在流行している機種はほとんどがST突入率50％。時短なしという激荒れ台ばかりと主張している。まあ、そうじゃない機種もあるにはあるんだけど、人気の看板機種にはこういう、50％をいかに取るかが大事とするマシンもあるにはある。
さらにこう主張は続く。
「次回確定実質3000発とかいうの実装することでSTの継続率も81％（本当は72％）みたいなのがザラにある」
終わってると思う理由についてつらつらと書いているわけだ。「確変機がマジで海以外無い」などとも書いている。
パチンコをしない方にとっては何のこっちゃ？ という話だろうけど、要はギャンブル性が高い機種ばかり人気で、それがしんどいと思っているとの主張なんだろう。で、海というのは『海物語』シリーズのことね。これも昔からパチンコホールに設置されている人気機種である。
さらにスレッドはスレ主が、現在稼働中の色んな機種についてのウンチクも披露。関係ないから省略するが、とにかく「おいおいコイツ終わってるとかいいながらめっちゃパチンコしてるやん、楽しんでるやん」と、僕などは思ってしまった。文句をいいつつギャンブルから脱却できない。今これを書いている人間みたいな奴だ。
まあ、初当たりでしっかりST取れなきゃ意味がないしボロ負けするのはたしかに嫌なんだけど、それも込みでの出玉性能だからなぁ。しかもそういう機種が現在では評価されているんだから、嫌なら甘デジコーナーで遊んでいれば良いのに、というのが個人的な考え。
ST突入率50％が嫌なら、そうじゃない機種を打てばいいし。「でもそういう機種は人気がないから釘が悪い」という反論があるかもしれないけどね。
どうせ遊びなんだし、無理して嫌々自分が納得できない機種を触ることもない。そもそも前提からして、誰もこの人に「パチンコ打ってくれよな！ 頼むな！」なんていってもないんだから。
パチンコの人気スペックは移ろいゆくもの
でも、こういうスレ主みたいなパチンコファンって割と僕の周りにもいる。誰にも頼まれてないのにホールに出向いて50％の初当たりSTが引けなくて、いい年齢して子供のように拗ねる。徳の低い僕の周りに集まるのは、やはり徳の低い人たちなのである。
そういう人たちがよく言うのが「スペックが悪い」だの「遊べる仕様がいい」だの、そういうことばかり。遊べる仕様なんて求めてないくせにね（笑）。本当にそんなこと思ってたら、出玉は少ないし大当たり消化速度も遅い機種にもうちょっと目を向けてるはずだからね。
結局パチンコファンはいつの時代も、射幸性。これを第一にユーザーは打つ台を選ぶのである。
それに、心配しなくても今の「良い方の50％取れないと死ぬ」パチンコの時代が、そんなに何年も続くなんてことないと思うなぁ。僕は20年ぐらいパチンコホールに入り浸ってるけど、やっぱり主流になるスペックってどんどん切り替わっていくし。
僕が18歳だった頃なんて、大当たり確率は1/350、確変突入率・ループ率はともに50％って仕様が基本フォーマットという時代。
あの頃は本当に5連、10連させるのが本当に難しかった（その代わり、大当たりは全て15R9カウント）。昔と比べると今のパチンコは出玉性能に関してはかなり進歩しているように思える。それだけに、冒頭でも書いたようにいくら大当たり確率が1/319であっても、恐ろしくてそうそう手が出せないんだけど。
