社員を大切にできない会社は、従業員が離れていくのも当然だ。
「昔勤めていた運送会社がまさに新卒が定着しない会社でした」
こう綴ったのは30代前半の男性(長野県/技能工・設備・交通・運輸/年収500万円)。当時男性が務めていた会社は長時間労働が常態化していた。連日の疲労でドライバーの居眠り運転を招き事故になることもあったという。(文:永本かおり)
「昭和の古い社風に耐えきれなくなりばんばんと新卒は辞めていきました」
新人が定着しない理由は、「とにかく激務」であることだったという。
「朝は7時前に出社し夜はひどい時は23時退社」
「当時私は営業職でしたが、目標に対して少しでもマイナスすると県外に研修に行かされ、延々と会社の歴史や会長のありがたいお言葉を頂戴していました」
会社のために身を粉にして働くも、厳しすぎる環境に疲弊した様子がうかがえる。
運送会社なので当然ドライバーもいる。安全運転で業務を遂行してもらいたいが、事故が起きることもあった。
「事故が起きれば『事故ミーティング』と称し、事故が起きた支社の全員が朝5時半に出社し、事故が起きた時のドラレコを見ながら原因を発表するということをやってました」
しかし、「事故ミーティング」が解決に繋がったとは考えられない。事故は激務で疲労困憊した人が起こしており、「原因の大半は『居眠り運転』」だった。
交通事故は命にも関わる。本当に事故をなくしたければ、労働時間を適切に管理してドライバーの負担を軽くするしかないだろう。男性は
「こんな昭和の古い社風に耐えきれなくなりばんばんと新卒は辞めていきました。 私も入社半年で退職しました。その時すでに全国にいる同期約200人の内半分はすでにやめていました」
「あれから5年経ちましたが、当時の会社の同期と連絡を取っても続けている人は1人もいません。おそらくほとんどがやめたのだと思います」
と、多くの人が早めに見切りを付けて退職した様子を述懐していた。
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