今年の収支、恐らくこのままプラス域で突っ走りそうな松本ミゾレである。去年60万負けているけど、今年はこの段階で50万ちょいの勝ち。きっとこの調子で昨年度のマイナスを帳消しぐらいにはできるはずだ。
そうは言っても恐ろしいのがギャンブル。僕の数少ない友達の中には、5月だけで既に30万失っているパチンコファン(極度の依存症とも言う)もいる。まあ、本人が納得ずくで負けたのであれば僕にどうこう言う資格はないのだ。
ところで、一般的にはパチンコもパチスロも、長期的に見れば負ける遊技と考えられている。これはズバリ、事実である。ほとんどのユーザーは負けを取り返すために何度も来店しているのだから。
もちろん、攻め時、引き時を熟知したプロはそうではない。年間収支数百万の実績を挙げる人間もいる。こういう人が勝つのは、まあ当然かもしれない。一方で同じように生涯収支がプラスの人の中には「なんか知らんけど、勝ってるんですよね」という稀有な者もいるのだ。(文:松本ミゾレ)
732万円投資して回収が736万円
先日、5ちゃんねるに「スロ・パチ人生6年目の俺プラス域突入」というスレッドが立っていた。文字通り、スレ主はパチンコホールに出向くようになって6年目で、なんか知らんけど生涯収支がプラスに転じたのである。
スレッド本文において「暇つぶしとして結構いいし引退するか迷ってる」と書きつつ、これまでの総投資が732万5200円。これに対して現段階での回収は736万9700円。つまり総合収支がプラスの4万4500円になったという報告をしている。
700万円以上使って6年遊んで、勝率こそ32.7%とのことだがなんだかんだで4万以上も浮いた、ということになる。
世間的にはパチンコやパチスロで「トータルでは勝ってる」と言っちゃう人は大体負けてるって風潮が根強いが、ちゃんと収支を記録していて、その上で勝っているという人もいる。もちろん僕もその一人。A型の几帳面な男なので、2003年にデビューして以来ずっと収支は記録し続けている。
2023年5月24日時点では、総合収支は223万7923円のプラス。もっとも、時給換算すればたった492円だけど。僕は設定狙いも良釘狙いもできない、ただの依存症である。そんな僕でも、なんか知らんけどなんとなく打ってると勝っているのだ。
なのでパチンコ・パチスロに詳しくないと、「6年目でプラスになってた」という報告を見て「嘘くせえなあ」と思ってしまうところだけど、個人的には全然あると感じている。
ちなみに僕の総投資金額は2528万2378円。ここに至るまで、めちゃくちゃな金額をサンドにぶち込んで来たということになり自分でも引いてしまう。スレ主としても遊んでるだけで、ちょっとでもお金が浮いていることに安堵したのか、本文中でも「暇が潰せてるなら良くない?」と書き込んでいる。
勝っても負けてもパチンコホールは人から何かを奪う
ギャンブルって不思議なもので、文字通り命がけで借金までして勝負するバカ……じゃなかった、本気で取り組む人が無惨にも撃沈される横で、なんも考えずに遊んでる人がしれっと勝ってしまう。
前述のスレッドの主なんかも、6年遊んでて4万プラスってのが面白いところだし、本人も「ゴリゴリの趣味打ちってか養分打ち」と自分で自分を批評している。それでも勝っちゃうんだよね。勝つ人は。
このスレ主や僕、そして僕が知る限り数人いる「ガチでやってないのに勝っちゃう人」って、本当に恵まれてるよなぁ。……もっとも、勝ってるからOKという話ではないんだけどね。
だってギャンブルで勝とうと負けようと、どのみち喪失している貴重なものがある。そう、時間である。お金は浮いていても時間損失はかなりのものだろう。
時は金なり。ギャンブルなどせず学業に。あるいは仕事に励んでいれば、生涯収支はパチンコやパチスロで稼ぐ金額の比ではないはずなのだ。だが、なまじ勝ててしまったり、そこまで酷い負け方をしないがために、こういう人は(僕を含め)生涯収支を伸ばすことが、できない。
俯瞰で見た場合、ちょろっとプラスの人たちって負けないものだから結局、大負けぶっこいて手を引く人よりも、人生の可能性の芽をつぶしてしまう傾向が高いように感じる。