会社によっては非正規雇用で入社した後、一定期間を経て正社員となる場合がある。そんな正規雇用を目指して奮闘した男性の理不尽なエピソードが寄せられた。
岐阜県に住む50代男性(技能工・設備・交通・運輸/年収300万円)は、50代の女性が正社員登用されたこともあり、望みを抱いてたというが……。(文:林加奈)
入社から半年後「正社員登用の方向で動いています」→半年間音沙汰なし
地元にある食品関係の製造工場に入社した。はじめは契約社員として採用されたが、当時40代後半だった男性は年齢的にも正社員を希望していることを伝えていたという。
半年後、採用担当者から「正社員登用の方向で動いています」と聞き、喜んでいた。ところがそれから半年間、全く音沙汰なかったという。そして入社から1年が経過したころ、
「『このままでは正社員は難しいので、別の部署で頑張ってください』と言われ、部署を変わり、さらに半年後ようやく本社面接の話がありました。正直、1年半引っ張るとは非常に不愉快でした」
ただ、その1年半の間に会社の内情がわかってきたとも男性は語っている。
「出入りの激しいブラック企業であることもわかってきました。採用の流れも本社面接にいたることなく正社員になれた人もいれば5年かかって正社員にあがった人、50代の女性が正社員に登用されたこともあったようです」
正社員登用される条件がわからず不安はあったものの、一縷の望みを持って正社員登用の面接に挑むことになった。
面接で居眠りする副社長と専務に愕然
本社では社長、社長の息子である副社長、専務の3人と面接した。その時の状況をこう振り返る。
「社長から『転職回数が多いのが気になります。転職した経緯を説明してもらえますか?』と聞かれ話をしていたところ、目の前で副社長と専務が居眠りをしていたのに気づき愕然としました。それでも何とか社員にと思い、ぐっとこらえて何も言わずに会社を後にしました。面接の後、工場で仕事しているとすぐに採用見合わせの連絡がありました。その面接で退職の気持ちが固まり、転職活動をして退職しました」
面接で居眠りとは失礼すぎる。その面接まで1年半もかけるなど誠実さのない対応に怒るのも無理はない。
「あとから考えると、最初から採用する気はなかったのかもしれません。50代女性の採用も、市の『女性が活躍できるいきいき企業』みたいなタイトルが欲しかったから採用したに過ぎないようだったとあとでわかりました」
と諦めたように綴り、「しかし、面接で居眠りしているときに一言でも言ってやればよかったのかな、と後悔もしています。地元の老舗企業ですが、長くても中身はカスカスではなぁと思いました」と締めくくった。
キャリコネニュースでは「職場の理不尽すぎるエピソード」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/G1TWHA4M