まともに仕事を教えてもらえず退職した経験談は数多く寄せられている。埼玉県の30代男性(事務・管理/年収350万円)もその一人。入社したばかりの頃、教育係の人とこんなやり取りがあったという。(文:林加奈)
「教え通りにやったら『間違っている』と言われてしまった。請求書の作成を教えてもらい、教えてもらったことをメモして言われた通り実施したら『間違っている』と。しまいには『どこがダメか自分で考えて』と言われた」
質問しに行くと「定時前なので嫌」と断られてしまった
入社から10日も経過していなかった男性は、どこが間違っているのかわからかったため、ほかの人に相談。すると「他のやり方で試してみては?」と言われ、ほかのやり方で試してみることに。すると
「『最初のやり方で合っている。忙しくてちゃんと見ていなかった』と言われた。なお、この時に謝罪はなかった。定時前の質問はNGで、定時30分前にわからないことがあり、質問しに行くと『定時前なので嫌』と断られてしまった。翌日聞こうとしたら『なんで昨日聞かなかったの?』と」
この教育係は、はじめから仕事を教えるつもりなどないのだろう。請求書の作成方法も「Aさんはこのやり方でやっているけど、私は違うやり方でやっている」と教えられ、「会社ごとではなく、確認してもらう人によってやり方を変えないといけない」という、かなり独特なルールを教えてもらったと綴る。
「お前の経歴に傷がついて正社員で雇ってもらえなくなるからな」
皮肉なことに男性が退職を考えるきっかけとなったのが、歓迎会での出来事だった。その教育係が男性のことを「使えない奴」と大声で叫んでいたというのだ。後日、男性は役員に相談した。すると
「『Aが悪いっていうのか?』と逆に怒られてしまった。今までの新人に対しての指導を指摘すると『これだから若い奴を雇うのは嫌だったんだ、これで退職して見ろ、お前の経歴に傷がついて正社員で雇ってもらえなくなるからな』と脅された」
男性は「相談して何とかしてもらおうとしただけなのに、ここまで言われて腹が立ったのでその場で退職しました」と綴っている。入社から3週間後というスピード離職だった。
なお、退職後に届いた離職票を見ると、名前が間違っていたという。「こんなに人を大切にしない会社、辞めて良かったと思っています」と未練は全くない様子。そして
「その後すぐほかの会社で内定をいただき、入社してその会社で出会った人と結婚しました。あの会社で働いていたら、今の幸せはありませんでした」
と、前職で上司から受けた脅しは大きく外れ、転職に成功したことも語っていた。
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