上司に正しいことを言い返しても、理不尽な答えしか返って来ないこともある。教員として働く40代男性は、「副校長になって赴任した学校」で、上司に言い返したときのエピソードを明かした。副校長の上司ということはつまり校長なのだが、これが
「本当にお前はだめなやつだ。お前の評価をしてるのは俺だ」
と言うばかりで話にならない相手だった。
「俺がやったと言ってるのに、やってないって言うのは何事だ!」
ことの発端は、教育委員会から「前年度の衛生委員会という会議についての報告書を出すように」と指示がきたことだった。衛生委員会とは労働者(この場合学校職員)の安全衛生を整備する目的で設置が義務化されているものだが、今年度から赴任した男性は前年度のことは分からない。そのため、
「前年度の議事録を探したがどこにも見当たらない。担当者は養護教諭、ただ養護教諭も今年度から赴任したため、前年度のことは分からない。仕方なく前年度の副校長に聞くと、『やってない』とのこと。(衛生委員会について)立ち話で話した程度ということだったので、その話を校長に報告」
すると、校長は「会議はやった」の一点張りだったという。「ただ、議事録もなく、前年度の副校長もやってないと言ってるので、やったならば日時や内容を教えてほしい」ことを伝えると
「俺がやったと言ってるのに、やってないって言うのは何事だ!」
「だからお前はだめなんだ」
と驚くような「指導」を受けた。さらには、
「『じゃあ0回で提出しろ。ただ、委員会からなぜやらなかったか事情を説明しなくてはいけないときは、お前が説明しろ。お前が0回って言ったんだから』とキレながら言われる」
とムチャクチャな命令しか返って来ない始末。前年度いなかった職員が事情を説明できるはずもない。さすがにおかしいと思った男性が「議事録もなく、前年度の副校長に聞いてもやってないって言ってるから、そのように伝えただけ」と言い返すと、
「『俺がやったと言ってるのにお前はなぜ、やってないって言うんだ! 本当にお前はだめなやつだ。お前の評価をしてるのは俺だ。お前の評価が下がってるな』とキレながら言われる」
と教育者とは思えない罵詈雑言をぶつけられてしまった。
そこで諦めた男性がどうしようか悩んでいると、養護教諭がとりなすように校長室に入り、「0回で出していい」という了承を得たという。一件落着かと思いきや、話はこれで終わらない。
「その後、0回の報告書を作成して校長に持っていったら、『俺はやったと言ってるけど、お前が0回って言ったから、お前が責任取れよ。委員会に説明しろよ』と、また言われる」
と、うんざりした様子で振り返る。「前年度のことは分からない上に、議事録もなく、前年度の副校長から聞いて作成しただけなのに、なぜ俺が責任を取らなければいけないのか」と不満が込み上げたようで、
「それはおかしいと思います。私は、前年度のことはわからないし、議事録もなく、前年度の副校長が立ち話しかやってないと言ってるので、困ってるだけです。やったなら報告書に必要な日時や内容を教えてほしいだけなんです」
と言い返した。すると再び校長は「キレながら」、
「お前は本当にだめなやつだ。評価がまた、下がったな」
と言った。「自分が責任を取りたくないかららキレながら人に責任を押し付けたんだなと思う」と校長を評した男性は
「これが教育現場の実情。本当に部下は上司を選べない」
と肩を落とした。
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