isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
悪への感受性を研ぎ澄ます
今週のおひつじ座は、身近にはびこる「悪」に対抗していくのに必要なだけの危機感を、研ぎ澄ませていくような星回り。
歴史学を専門とする哲学博士であるJ・B・ラッセルは、「悪魔」について本格的に論じた『悪魔の系譜』のなかで、次のように指摘しています。
「われわれ各自のなかに悪が存在するのは確かだが、個人の悪を膨大に加えたところで、地球という惑星の破壊はもちろん、アウシュヴィッツを解明することは誰にもできない。この規模の悪は質的にも量的にも異なっている。もはや個人の悪ではなく、おそれくは集合的無意識から生じる超個人的な悪である。」
あなたもまた、まずはみずからの内に巣食う無知や無関心がどんな風に「超個人的な悪」に繋がって、実際的な事態をひき起こしているか、想像してみるべし。
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こころの奥行きを取り戻す
今週のおうし座は、秘められた感情を思いきり打ち出すためのきっかけを得ていくような星回り。
『算術の少年しのび泣けり夏』(西東三鬼)という句のごとし。
語のリズムとして、こちらの意表を突くような形となって機能していますが、ここでいう「夏」とはさながら額縁のようなものでしょう。絵や写真というのは、それにふさわしい「額縁」を得ることによって、動きやゆらぎをともなった「風景」となっていく。
あなたもまた、こころに奥行きをもたらしてくれるだけの「額縁」を見つけていくことができるかも知れません。
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分母と通分
今週のふたご座は、話の落ち着きどころとしての「人間」に突き当たっていくような星回り。
長田弘の『詩は友人を数える方法』という本は、アメリカ大陸をあてずっぽうのように車で走り去りながら旅していく話なのですが、「アンクル・ジョン」と題された章では、アダムという人物をバークレーに訪ねていきます。
けれど、もらった住所にはアダムはいなくて、女がひとり本を読んでいる。「アダムは詩を書くようになったの。でもたぶんもうこの家には帰ってこないわ」そう言うと、アダムを探してくれる。結局、当のアダム本人は見つからなかったけれど、その代わりにちょっとした親切に触れることができた。
それは、孤独な人間がやはり孤独な別の人間と出会ったときの、ごく自然な化学反応の現われなのだと言えますし、詩というのは本来そういうところから生まれてくるものであったはず。あなたもまた、そんな古いフォークロアの肌ざわりへと回帰していくことになるかも知れません。
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都会で隠遁
今週のかに座は、日常への向きあい方そのものに「彩り」をもたらしていこうとするような星回り。
『即興の雨をパセリとして過ごす』(小津夜景)という句のごとし。
雨に濡れる不快感や肌寒さに引っ張られて、とにかく早く家に帰ることしか考えられなくなってしまってもおかしくないところですが、どこかに残っていた心の明るさが「パセリ」のビジョンを垣間見せてくれたのかも知れません。
あなたもまた、ひとつのトレーニングとして掲句のような「リアリティの転換術」を実践してみるといいでしょう。
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落とし穴にあえて落ちる
今週のしし座は、それ自体では「なんでもないもの」をますます許容していこうとするような星回り。
生きる時代は選べないとしても、人は今まさに進行中の出来事や事態にたいしては、どんな態度をとるか、どうやって、どの程度それに関わるかを選ぶことができます。
「休日」を一つとっても、疲弊した心身を“リフレッシュ”して仕事に戻ったり、将来に備えたりといった、現代において一般的に共有されている“荒涼とした”ストーリーのなかに埋もれている、曖昧さだとか、非生産性といった、生きていることそれ自体がより広い領域で内包している価値の源泉を探っていくこともできるんじゃないか、と。
あなたもまた、SNSの通知に気をとられるままの自分でいる代わりに、まずは現代人が「生産的」だと認識している行動や選択を疑ってみるところから始めていくべし。
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はみだし者のうた
今週のおとめ座は、みずからの弱さや不完全さを引き受けていこうとするような星回り。
『蟇(ひき)歩くさみしきときはさみしと言へ』(大野林火)という句のごとし。
さみしげに歩行する蟇の姿に呼びかけることで、作者は自身をはげましていたのであり、掲句における蟇=作者のうしろ姿は、孤独を持て余した人間そのもののカリカチュアとも言えるのではないでしょうか。
あなたもまた、掲句の作者のように、自身を受け入れるのにふさわしい似姿を見出していきたいところです。
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呼び水をまく
今週のてんびん座は、改めて境い目的な領域からこの世的現実に引き戻されていくような星回り。
何度も危ない一瞬に差し掛かりつつも、こっち側に戻ってきた稀有な日本人作家の一人に、中島らもがいます。例えば、入院したことをきっかけに、そのあり余る膨大な時間を使って、自らの実体験を書いた『アマニタ・パンセリナ』という本。
「ドラッグについて、酩酊について書くことは、死と生について語ることと同義である。ただ、医者や学者に語る資格がないのと同じように、生き残ってしまった側にも真相は見えていないに違いない。だから、この文章も「うわ言」の一種だと思っていただくとちょうどいいかもしれない。」
あなたも、どれだけ「うわ言」を繰り出していけるかがテーマとなっていきそうです。
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隠れた豊かさを探していく
今週のさそり座は、暗い予感と背中合わせにある豊かさに目を向けていこうとするような星回り。
『白壁の穴より薔薇の国を覗く』(渡邊白泉)という句のごとし。
「戦争が」という出だしから始まる後者の句には、ハッとさせられるものがあります。そうして、戦争の時代に人間のもっとも醜悪な部分に直面して、その衝撃を「立つてゐた」という口語表現にこめたのと同じ人物が、一方でまだ平和だった時代には平凡でささやかな日常のただ中にある非日常的な美の世界を詠んでいた。じつに、もの悲しい話です。
あなたもまた、長い目で見たときに光と闇とを分かつような岐路に立っていくはず。
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真面目さを手放す
今週のいて座は、どうにかして資本主義的なリアリズムを相対化していこうとするような星回り。
思想史家の関曠野は2016年に刊行された『なぜヨーロッパで資本主義が生まれたか:西洋と日本の歴史を問いなおす』の中で、「資本主義に普遍的世界史な必然性などないのだ」と断じています。
そして、果てしない経済成長を求める資本主義から脱却できないのは、それが「宗教のかたちをした神経症」だからであり、「資本主義は貧困とか搾取ということよりも精神病理で人間を不幸にする」のだという重要な指摘もしているのです。
あなたもまた、まずは自分が「宗教のかたちをした神経症」にかかっていることを認めるところからスタートしていくべし。
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解決できない問題への固執
今週のやぎ座は、現実に対する違和感や主義主張を大胆にも表明していこうとするような星回り。
『夕立や樹下石上の小役人』(小林一茶)という句のごとし。
掲句は事実ありのままを描いたものではなく、「石上」と対応させて「小役人」を諷刺した、というよりからかってみせた一句なのでしょう。世俗的な現実への皮肉と、もの悲しさの実感とを両立させていくことこそが作者なりの思想信条だったのではないでしょうか。
あなたもまた、改めて自分が大事にしている哲学や問いを再確認していくことがテーマとなっていきそうです。
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信じるな、目を開けろ
今週のみずがめ座は、自分との不協和にこそ、むしろ人生の通奏低音を見出していこうとするような星回り。
デンマークの哲学者キェルケゴールは「不安は自由への可能性である」と言っていますが(『不安の概念』)、この指摘は現代社会を生きる私たちにとって極めて重要な指摘であるように思います。
というのも、現代社会において「可能性」という言葉はまるで「希望」と同義語のように用いられていますが、キェルケゴールは「可能性」とはむしろ「一切のものが等しく可能的である」という事態において感じられる“困難さ”なのだと考えていたからです。
あなたもまた、一発逆転的な“救い”ではなく、ささやかであっても自分なりの絶望をつみあげていけるかが問われていくでしょう。
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光のネットワークの中へ
今週のうお座は、小気味よく誰かとぶつかり合うような関わりを楽しんでいくような星回り。
『ビヤホール椅子の背中をぶつけ合ひ』(深見けん二)という句のごとし。
明るいうちから飲んでいると、街路樹など街中にある緑が鮮やかに目に飛び込んできたり、道行く人もなんだか颯爽と、輝いて見えてきて、ビールの爽やかなのど越しやコクのある味わいとの相性も否応なく増してくるはず。
あなたもまた、そんな個人主義と集団主義のあいだにある心地いい落としどころを探っていくべし。
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