24年卒の就職活動が盛り上がる中、志望度が高かった企業の面談や面接を受け、急に志望度が下がる学生が多数見受けられます。学生に話を聞くと、オンライン面接での面接官の振る舞いが原因になっていることがあります。いくつかパターン別にご紹介します。(文:キャリアアドバイザー 坂元 俊介)
(1)面接官が時間に遅れてくる
「予定時間より10分遅れて始まったのに、謝罪も何もなかった」
「5分前アクセスを言い渡されていたのでちゃんと5分前にアクセスしたのに、特に遅れる連絡もなく、待機部屋で開始時間から5分以上待たされてから始まった」
志望度を下げた学生にヒアリングした理由で最も多かった回答がこれです。オンライン面接が当たり前になったことによって、採用側は、時間を詰めて面接を入れることができるようになりました。
それこそオンライン会議の直後に面談を入れたり、2時間で複数人を面接したり、といったスケジューリングをしている面接官も少なくないのではないでしょうか?
実際、私も15分はインターバルをあけるようにしているのですが、前の予定がどうしても長引いてしまって、学生さんを少しお待たせしてしまったことが何度かあります。
企業側にとっては、そのスケジューリングが当たり前になっているのですが、学生からすると、面接の5~10分前にはオンライン面接URLにアクセスし待機しており、そうなると、数10分待たされてやっと面接が始まる、というケースも多いようです。
数分の遅れなら学生も何も気にすることなく待っていられるのですが、10分以上の遅れになると待機が長い学生は20分以上待つことになります。その上で、遅れたことに対する謝罪がないとなると、学生は企業に対して不信感を抱いてしまい、志望度を大きく下げてしまうのです。
(2)オンライン越しの姿勢や態度が悪い
「面談の途中で半分寝ているような感じがした」
「ずっと、背もたれに持たれかかってこちらの話を聞いていて、興味ないのかな?と思った」
「こちらはスーツで姿勢を正して話しているのに、髪の毛はボサボサで寝起きのような状態で面談された」
オンライン就活が主流になり、採用担当や面接官も、出社ではなくリモートで自宅から面接するケースも多いでしょう。また前述のようにオンラインだからこそタイトなスケジュールを組み、立て続けに面接を詰め込むことによって、どうしても疲れが溜まりやすくなります。
誰も見ていないプライベートな空間であることと、疲れによって、姿勢が崩れたり態度が自然と悪くなってしまう面接官もいるようです。
ただそれは企業側の都合であって、学生は大事な面談や面接に備えて万全の状態で準備をしています。その温度差を学生が感じると、どうしても志望度に影響を及ぼしてしまいます。
(3)面接中に別の仕事をしていると感じる
「最初はメモを取っているのかと思っていたが、どうも別の仕事をしているように感じた」
「目線がずっと合わず、返事も曖昧になる場面があり、別の対応をしているのではと思った」
本当に?と耳を疑いたくなる理由ですが、意外とこう話す学生が多くいました。オンラインという環境で、確かにメールやチャット連絡が入ってくることがあるのでしょうが、あまりに頻繁に対応をしていると、受け答えが上の空になったり、目線が合わなかったりと、学生も何かしら気づくようです。
大事な面接や面談で、別の事をされている、と気づいてしまった場合、いっきに志望度を落としてしまいます。
面接をする方々は、企業の採用ブランディングにも大きく影響するため、是非気を付けて頂きたいと思います。また学生の方も、n=1、つまり1回の面接官の対応だけで企業を判断せず、他の社員の人も見た上で選考を続けるか判断するのがいいと思います。
たまたま疲れていて対応が悪くなったというケースや、たまたまその人だけが例外で……というケースも存在します。自分の判断軸を明確にして、企業を総合で判断するようにしましょう。