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親しき中にもバトルあり。互いに高め合うソルベルグとグリーンスミスの友人関係/WRCポルトガル

2023年05月18日 20:50  AUTOSPORT web

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第5戦ポルトガルでWRC2クラスを制したガス・グリーンスミス(画像右)と2位表彰台を獲得したオリバー・ソルベルグ(画像中央左)
 5月11日から14日にかけて、ポルトガル北部のマトジニョスを拠点に開催されたWRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』において、WRC2クラスに参戦しているオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)と、同じくファビアRSラリー2を駆るトクスポーツWRTのガス・グリーンスミスは熾烈な優勝争いを演じた。ソルベルグはペナルティの影響もあり優勝を逃したが、グリーンスミスとソルベルグの間には怒りの感情は生まれなかったという。

 ソルベルグはラリー初日からWRC2クラスのトップに立ち、デイ2を走り終えた時点では、パンクに見舞われたグリーンスミスに対し35.4秒のアドバンテージを築いていた。しかし、デイ2最後のSSを走り終えた後にソルベルグが行ったドーナツターンが、レギュレーション違反である“エキシビジョン・ドライビング”にあたると判断され、1分間のタイムペナルティを受けることになる。このタイムペナルティによってソルベルグはグリーンスミスに逆転を許し、デイ3の朝の時点では、残り4ステージを前にグリーンスミスが24.6秒リードする展開となった。

 首位となって迎えた最終日、グリーンスミスはパワーステアリングに問題を抱えながらのラリーとなったものの、3日間の戦いを終えてわずか1.2秒差でスウェーデンの親しきライバルに勝利した。フィニッシュに際しグリーンスミスは、自身とソルベルグとの間にマイナスな感情がないことを強調した。

「今年は例年よりずっとラリーを楽しんでいる」とWRC.comに語ったグリーンスミスは、「ラリーとの付き合い方も含めて、人生全般を楽しんでいるんだ」と続ける。グリーンスミスは、自身とソルベルグ、そして周囲の人々との良好な関係性についても語った。

「自分とオリバー(・ソルベルグ)の関係、そして父とペター(・ソルベルグ)の関係も、見ていてとても素敵なんだ」

「クロアチアの終わりには、みんなでビールを飲みながら夕食を食べに行ったよ。でも、もちろん僕たちは互いに競い合いたいし、ドライブしているときはとにかくプッシュしているよ」

 一方、ランキング首位のヨハン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)まで1ポイント差に迫ったソルベルグは、グリーンスミスの気持ちを代弁するように語った。

「今年も何度かバトルをしたけど、僕たちは良い友達なんだよ。お互いに尊敬し合っているし、これはとても大切なことだと思っている」

「一緒にWRC2クラスを戦っているドライバーは他にもたくさんいるから、特定のドライバーとだけベストを尽くして高め合っているとは言い切れない。でも、常にベストな状態でいることが重要であり、今週末それをともにしたのがガス(グリーンスミス)だったんだ」