お客さんの機嫌はできるだけ損ねないようにするのがサービス業の鉄則だろうが、思わず意見したくなる瞬間もある。タクシードライバー歴31年、個人タクシー事業者で16年という69歳の男性(京都府/技能工・設備・交通・運輸)から、こんなエピソードが寄せられた。
男性が「個人タクシーを開業してまもなく」のこと。こんなお客さんが乗車したという。
「京都市内で夕方、品の良さそうな30代くらいのシャネルバックを持たれたお客様が、有名な学習塾にお子様を迎えに行かれることに」
子どもの塾のお迎えにタクシーを使う客だ。ブランドバックなど雰囲気からして高収入世帯の奥様であることが察せられるが……。(文:okei)
「品の良かったお母さんが激変!」
塾の前で待っていた子どもが同乗してからの、親子のやりとりが「すごい会話でした」と男性は振り返る。
「その日の塾でテストがあり、お子様が『今日のテストは難しくって点数が取れなかったよ』と母に伝えてました。すると品の良かったお母さんが激変!」
「突然、車内で大きな声でお子様に『家に帰ったら今晩は食事抜きにするから我慢をしなさい』ってキツく言っておりました」
なんと上品な雰囲気が豹変し、厳しすぎる言葉を子どもにぶつけていたらしい。しかも会話はそれで済まなかった。今度は「街中で工事をされてる現場の前に差し掛かったころ」、母親は「子に向かって怒鳴る声」で
「勉強をしなかったら(工事の警備員の方を指さし)、将来はあんな赤棒を振る仕事しかないで~」
と「キツク言った」そう。これには男性もたまりかね「そこで僕は、口を挟むようですが」として母親に意見した。「子供さんも朝早くから夕方おそくまで勉強づめで疲れてるからって勘弁してあげたら」と言うと怒りの矛先は男性に向かったという。
「私に暴言を言いまくり、『わたしの子だから放っておいてよ』って言ったので、僕は母親に『人生の仕事に上下は無いですよ』って注意をしてやりました」
思わず説教をしてしまった男性。その後をこう綴っている。
「それから家路まで母親はダンマリでした。降車されて僕は子供のことを考えていたら夜ごはんが抜きで可哀想だなと思いました」
母親に男性の言葉が少しでも響いたならいいのだが。
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