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「宝探し」YouTuberが重要遺跡を無断で掘った? 埼玉県「法令違反の恐れ」

2023年05月16日 14:21  弁護士ドットコム

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「一発どでかいのを当てていこうと思います」「これはキタんじゃないか?」


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男性2人が埼玉県秩父市にある中世の城跡で、金属探知機に反応した場所を次々とスコップで掘り返す様子が映し出される。



この動画は、「宝探し」をしているというYouTuberのチャンネルで、5月8日に公開されたもの。約21分間の動画の中で、何度も土を掘り返して「宝探し」をしている様子が映っていた。



しかし、現場となった熊倉城は、埼玉県が指定した重要遺跡であり、埋蔵文化財の存在が知られている場所(埋蔵文化財包蔵地)でもある。



事態を重くみた埼玉県・文化資源課は文化財保護法や文化財保護条例に違反する恐れがあるとして、ツイッターで注意を呼びかけている。



●「大丈夫か?」通報相次ぐ

問題になっているのは、金属探知機などでお宝を探すYouTuberが撮影した動画だ。チャンネル登録者数は24万人で、この動画はすでに3万回再生されている(5月16日現在)。



熊倉城跡と思われる場所をYouTuberが金属探知機を持って歩き回り、反応があった場所をスコップで掘り返す作業を何回もおこなっていた。登山道を掘り返すシーンもあった。



県文化資源課によると、動画を見た人から「熊倉城を掘り返しているようだが問題ないのか」という通報が数件あったという。



県文化資源課は5月15日、次のような注意をツイッターで呼びかけた。



「動画投稿サイト上に『宝探し』などの名目で、文化財として周知されている土地と思しき場所を掘削する動画が見受けられます。文化財保護法や文化財保護条例によって指定等された土地を、法令で定められた手続きを経ずに掘削等を行うと、法令に違反する恐れがあります」







●「文化財は国民共有の財産」

動画に映っていた行為には、どのような問題があるのだろうか。県文化資源課の担当者はこう説明する。



「埋蔵文化財包蔵地や天然記念物、国や自治体の指定史跡の範囲で発掘する場合は、文化財保護法にもとづく手続きが必要になります。また、無断での掘削行為は文化財保護法に違反する可能性があります」



今回の熊倉城跡は、県が選定した重要遺跡にあたり、埼玉県の歴史を知るうえで重要な遺跡として位置付けられている。開発などをする場合には、県と秩父市による事前の協議が必要という。



また、動画では、掘削して発見したものを紹介するシーンもあった。





「文化財は国民共有の財産であり、個人のものではありません。目的をもって無断で遺跡の中で掘削されると、盗掘になってしまいますので、やめていただければと思います」(県文化資源課担当者)



今回、動画が撮影された場所が、埋蔵文化財包蔵地かどうか確定できないため、県文化資源課では、ツイッターで注意喚起したという。