今季2023年より、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのチーム代表を務めているシリル・アビテブールは、韓国のメーカーがダブル表彰台を獲得したWRC世界ラリー選手権第5戦ポルトガルを振り返り、同陣営のラリー1カー『ヒョンデi20 Nラリー1』のパフォーマンスについて、もう一段ステップを踏む必要があると述べた。
ドイツ、アルツェナウのファクトリーで作られたヒョンデのハイブリッド搭載ラリーカーは、今月11日から14日にかけてポルトガル北部のマトジニョスを拠点に行われた『ラリー・ポルトガル』で全3台が競技最終日のデイ3まで表彰台を争い、最終的にダニ・ソルドが2位、エサペッカ・ラッピが3位を獲得した。
ヒョンデは今シーズン未だ勝ち星がないが、ダブルポディウムは今回が2度目。前回は2月に行われた第2戦スウェーデンで故クレイグ・ブリーン、ラッピの2名によって達成されている。
「クルマはそこ(表彰台を争えるレベル)にある」とWRC.comに語ったアビテブール。
「カッレ(・ロバンペラ)はとても速いドライバーであり、土曜日の終わりに彼が(2番手ソルドに対し)約1分のギャップを作ったとき、私たちはそれを取り戻すのがとても難しかったと認めざるをえない」
「私にとって満足するには大きすぎるギャップだ。このクルマで1kmあたり0.2秒や0.33秒を速くするにはどうしたらいいのかを確認する必要がある。しかし、それは簡単なことではない」
同氏はヒョンデi20 Nラリー1がオールラウンダーであることを評価しつつ、さらに改善する必要あると述べた。
「i20ラリー1はオールラウンドの性格を持つクルマだが、(ラリーで勝つために)もう一歩前進させたい。我々はいくつかのアイデアを持っており、それを実行に移して競争力を加速させる必要がある」
一方、アビテブールは今大会で2位3位表彰台を獲得したふたりのドライバーを称賛した。なかでもラリー序盤に首位に立つ速さを見せたソルドには、「彼はこの週末、素晴らしい走りを見せてくれた」と絶賛。
「これこそ私たちが見たいダニ(・ソルド)であり、我々を笑顔にしてくれるダニなんだ。彼は安全で賢明なドライビングをし、マシンをフィニッシュまで導いてくれた」と続けた。
「それはエサペッカ(・ラッピ)にも言えることだ」
「彼もまた素晴らしい仕事をして、堅実な走りを見せてくれた。彼はいま、本当に我々のクルマにハマってきている」